埼玉県内で商品券の発行相次ぐ 震災後の低迷脱却狙う

2011/9/30付
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県内の商工会議所などが自治体の支援を受け、プレミアム付きの地域商品券を発行する動きが相次いでいる。川口商工会議所と鳩ケ谷市商工会は11月に計8億円分を発行するほか、熊谷商工会議所も10月、11億円分を発行する。東日本大震災の発生以降、消費が低迷して地元の商店街などでは売り上げ減が続いており、消費を刺激するのが狙いだ。

川口商工会議所と鳩ケ谷市商工会は、2万3000円分の買い物ができる1セット2万円の商品券を3万5000セット発行する。商品券の内訳は市内の商店街などで使える「専用券」が1万2000円分、ショッピングモールなど大型店でも使える「共通券」が1万1000円分となっている。

プレミアム分の約1億円は川口市が9月の補正予算で手当てした。名目上は10月に予定する川口市と鳩ケ谷市の合併を記念した発行だが、商工会議所の関係者は「震災以降、市内の消費低迷が続いており、てこ入れを図りたい」と説明する。発行額も3年前の前回の5億5000万円から大幅に増えて、過去最高。川口市は市内に避難している震災被災者への商品券の贈呈も検討している。

熊谷商工会議所も10月2日からプレミアム商品券を発行する。発行額は11億円。こちらも2年前の発行額より25%増やし、過去最大規模。1万1000円分の商品券を1万円で販売する方式で、プレミアム分の1億円は熊谷市が補助する。市は「地元の商店街での消費は低迷が続いているうえ、震災を受けて厳しさが増しており、発行を決めた」と話す。

このほか、さいたま市でも岩槻区内の商店街活性化を目指し、10月1日から5500円分の買い物ができる商品券を5000円で発行する。

震災後の買い控えなどで県内の個人消費は冷え込んだ。関東経産局の県内大型小売店の販売額(既存店)は3~6月まで前年比を下回った。「節電や買い控えなどで飲食店が特に厳しい」(川口青五商店会の加藤郁夫会長)といい、商品券を消費回復の起爆剤としたい考えだ。

熊谷商工会議所の栗原栄事務局長は「2年前に発行したプレミアム商品券では8000万円の予算で10億円程度の消費が生まれた。今回は前回を上回る効果が出るはず」と期待を寄せる。

ただ、経済効果は限定的との見方もある。埼玉りそな産業経済振興財団の井上博夫主席研究員は「現金が商品券に置き換わるだけの部分も大きく、集客効果は一時的。地元商店などはこの機会に店舗の魅力や付加価値を高める工夫が必要だ」と話している。

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