2018年6月22日(金)

被災地の子受け入れへ山村留学活用 長野県の自治体など

2011/3/30付
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 長野県内で4月からの新学期を前に、東日本大震災で被災した子どもたちに就学の場を提供しようという取り組みが動き出した。県教育委員会は都市から小・中学生を受け入れる「山村留学」の制度を活用。ボランティアで子供を受け入れ、通学させる家庭を組織化する動きも出てきた。就学機会の確保とともに、心のケアにも取り組む。

 山村留学は都市部の子どもが一定期間、農山村地域で生活しながら地元の学校に通うもので、自治体や特定非営利活動法人(NPO法人)などが運営している。県教委が被災者の支援を検討する中で、保護者が復興のため被災地を離れられないケースを想定、子供だけでも受け入れられる制度として活用を決めた。

 県教委は長野市や伊那市、泰阜村など7市村の山村留学制度を使っての受け入れを検討。既に定員に達している長野市以外の6市村で被災地の子どもを受け入れる。受け入れ人数は合計で30人以上になる見込み。

 自治体も対応を急ぐ。NPO法人のグリーンウッド自然体験教育センターで5人程度を受け入れる泰阜村では村が紹介窓口となるほか、費用の一部負担を検討している。現在、千葉県内で被災し住宅に被害を受けた女児の受け入れに向けた調整を続けている。「自然に触れ合うことで、少しでも気持ちを癒やせれば」(教育振興係)という。

 共同宿泊施設の山村留学センターで10人程度を受け入れる売木村は月8万円程度の費用を村が全額負担する方針。被災経験で子どもたちの心的負担も大きいなか「緑豊かな信州の生活を体験をしてもらえれば幸い」と話す。5人程度を受け入れる北相木村も「被災した子供の心の大きな傷をケアしたい」としている。

 山村留学の枠外でも、ボランティアが家庭で子どもを受け入れ、地元の学校に通わせようとする取り組みも始まった。塩尻市では「被災者の子どもを受け入れる会」が発足。ホームステイなどで20人程度の子供を受け入れる。南相木村でもボランティアが30人程度、池田町でも5人程度の小学生を受け入れる方針を表明している。

 県教委はこうした受け入れ態勢を東北などの自治体の教育委員会に情報提供し、希望者を募る。

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