2019年8月17日(土)

汚染土、搬出せずに浄化 エコムと広島工大など

2011/10/28付
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汚染土壌の改良工事を手掛けるエコム(埼玉県伊奈町、河野市蔵社長)は広島工業大学(広島市)やみらい建設工業と共同で、土壌から放射性物質を除染する新たな技術を開発した。表土を取り除いたり土をかぶせたりする手法と異なり、土を搬出せずにその場で浄化できるのが特徴。大規模な処分場を必要とせず、低コストでの処理が可能になるという。

除染用の薬剤を水に混ぜて土壌に浸透させる

開発した除染技術は土壌を水洗いして汚染物質を取り除く。まず土壌に炭酸ガスなどを含んだ水を注入して、粘土など細かな粒子に浸透させる。次にセシウムなどの汚染物質をイオン化して土の粒子から引き離す。これを脱水して、土と汚染物質が溶け込んだ水に分離する。水の中の放射性物質は、花こう岩を主成分とした吸着剤で取り除くことが可能という。

放射性物質が付着した野菜を使って実験をしたところ、1回の洗浄で通常の水を使うよりも6倍近く放射線量を低減できた。土壌でも応用できるとみており、洗浄を繰り返すことで95%の放射性物質が除去できるとしている。

これまでも京都大学などが土壌を洗浄することで放射性物質を除去する手法を研究していたが、粘土のような細かい土から除去するのは技術的に難しかった。広島工業大学の鈴木健夫名誉教授の開発した炭酸ガスを注入する手法で、粘土質の多い東日本の土壌でも有効に除染できるという。

現在の除染作業では汚染土壌をはぎ取って他の場所に保管したり、土をかぶせたりする手法がとられている。エコムが開発した手法は、汚染物質を除去した土壌をその場に埋め戻せる。「土壌の搬出が不要で、その場で処理できるうえ、埋め立て地の確保も容易になりコストを低減できる」(河野社長)。

エコムは中堅ゼネコンのみらい建設工業と提携し、日本原子力研究開発機構が公募している除染技術実証試験事業に応募しており、補助金を得て実用化を進めたい考えだ。

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