心身の病気を農業で克服 熱海市など、IT技術者の復職支援

2011/8/26付
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熱海市はシステム開発のLASSIC(ラシック、鳥取市、若山幸司社長)や地元の特定非営利活動法人(NPO法人)と連携し、心身の病気で休職し、復職途上にあるIT(情報技術)エンジニアを支援する研修事業を始める。事業は企業と契約するもので、自然に恵まれた熱海の環境を生かしながら、農作業への従事などの研修内容を通じ無理なく通常の業務に戻れるよう手助けする。

熱海市は今年4月から「癒そうニッポン!」をキャッチフレーズに掲げ、保養地としてのアピールを始めている。ラシック、NPO法人との3者連携で、完全な社会復帰に向けた取り組みを全国に発信していきたい考えだ。

ラシックが受け持つ「IT業界エンジニア向けリワーク研修事業」は、同社が寮として利用する戸建て住宅などで、研修生(1グループ・10人程度)が1週間程度、共同生活を送り、農作業などを体験するもの。

IT業界では過密労働による心身の病気などで休職する社員の割合が他産業に比べて高いとの指摘もあり、昨年から本社がある鳥取市内で始めている。

同社は企業が集中する首都圏周辺でも研修地を確保する必要があると判断。その過程で熱海市が候補地として浮上し、同市との交渉を進めていた。同社はまず、熱海市から不動産業者の紹介を受けた上で、研修場所として同市内の貸別荘を期間貸借で利用することを予定。将来的には拠点開設も検討しているという。

NPO法人で連携するのは熱海を訪れる観光客向けメニューを企画する「atamista」(市来広一郎代表理事)。

市内の農地で実施する農作業で、プログラムの作成などで協力する。11月にも1回目の研修を実施する予定。来年以降の研修では、地域住民向けのパソコン講座なども研修内容に加え、対象もITに絞らず、メーカーなどにも広げたい考えだ。

熱海市は第四次総合計画で「賑(にぎ)わいと癒し」を掲げる。また「温泉イノベーション」戦略を展開。産学官などが連携して新市場を開拓し、地域活性化につながる取り組みを目指す。市総務部(総合政策推進担当)の石渡久照参事は「癒やしの空間として、熱海を全国に発信することで、観光客増にもつなげたい」と期待を寄せる。

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