2019年2月20日(水)

日光金谷ホテル社長に井上氏 創業家一族復帰で再出発

2011/2/26付
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日光金谷ホテル(栃木県日光市)は25日開いた株主総会と取締役会で、秋山剛康社長(77)が非常勤の相談役となり、新社長に創業者一族で前社長の井上槙子執行役員統括本部長(73)を充てる人事を決めた。債権放棄した足利銀行などの管理下で2005年から5年計画で事業再生を進めたが、一定の経営改善が図られたと株主側が判断。日本有数の老舗ホテルは創業一族の復帰という形で再スタートを切る。

井上氏は創業者のひ孫にあたる。1962年、武蔵野音大声楽科専攻科を修了。その後、自由の森学園(埼玉県飯能市)の理事、事務局長などを経て01年、金谷ホテル入りした。

明治時代初期に創業した日光金谷ホテルが経営に行き詰まるようになったきっかけは、1992年に中禅寺湖畔に落成した中禅寺金谷ホテル建設のための多額な借入金だった。これが負担となり債務超過に陥った。井上氏の兄で当時社長だった金谷太郎氏が2001年に退任し、井上氏と交代した。

だが、経営不振から脱却できず、05年に開催した債権者会議では私的整理ガイドラインに基づく再生支援という枠組みで関係者が合意。メーンバンクの足利銀行などが総額約40億円の債権を放棄し、5年間の事業再生計画がスタートした。

社長も井上氏から富士屋ホテル(神奈川県箱根町)の元副社長、秋山剛康氏に交代。地元企業などが同ホテルを支援するため「金谷ファンド」に出資した。

社長を退いた井上氏はその後、執行役員統括本部長として、東武日光駅構内や日光東照宮の敷地内にレストランやショップをオープンさせるなど経営改善に尽力。その結果、事業再生で一定の成果を上げたと足利銀などが判断した。井上氏が経営悪化を招いた当事者ではないこともあり、25日の株主総会で株主側は社長復帰を承認した。

また、日光金谷ホテルは25日、非常勤の社外取締役として、神戸メリケンパークオリエンタルホテル社長などを歴任し、現在は流通科学大名誉教授の作古貞義氏(76)を選任した。

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