2019年6月27日(木)

塩こうじ、ブームに水差す官製市場 加工米品薄に

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2012/4/29付
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伝統の調味料、塩こうじが全国的にブームとなっている。原料がみそや日本酒などと重なるため、みそや日本酒のメーカーなどはこれを機に「こうじ市場」を開拓、経営の新たな柱に育てようとする動きが相次いでいる。ただ、原料となる加工用米は品薄で、確保に苦慮するところも多い。ブームの裏側には、官製コメ市場のゆがみが透けて見えてくる。

■塩こうじだけで11種類

東京・麻布十番にオープンした物販店「千年こうじや」

東京・麻布十番にオープンした物販店「千年こうじや」

3月上旬、地下鉄の麻布十番駅(東京・港)から歩いて5分ほどの場所に、アンテナショップ「千年こうじや」が開業した。出したのは日本酒「八海山」で知られる新潟県の八海醸造(新潟県南魚沼市、南雲二郎社長)。しかし、主力商品は日本酒ではない。「コメ・こうじ・発酵」「魚沼」をテーマに、日本酒以外の様々な商品が並ぶ。その主力商品が11種類もあるという「塩こうじ」だ。しょうが入り、にんにく入りなど多様で、アンテナ店開業に合わせて1年も前から開発に力を入れてきた。「最も売れているのはシンプルなプレーンタイプの塩こうじ」と店の責任者は話す。

塩こうじ(塩麹、塩糀)とは、米こうじに塩や水を混ぜ、発酵・熟成させた伝統的な調味料だ。昔から野菜や魚の漬物床として使われてきた。肉や魚を漬けると、食品中のでんぷんやたんぱく質がブドウ糖やアミノ酸へと分解され、うまみが増す。塩やしょうゆの代わりに野菜や魚などへの味付けにそのまま使うこともある。

ブームはテレビの情報番組や雑誌などが取り上げたことで、昨年後半から始まった。和洋食問わずに使え、調味料の代わりにもなるという用途の幅広さに注目が集まった。今年2月ごろから使っているという長野県松本市在住の主婦(34)は「これだけで味が決まるので使い勝手がいい。チャーハンに入れたり肉を軟らかくして焼いたりしている」と話す。

最近の主な塩こうじ関連商品
企業名(本社所在地)商品名特徴・価格
八海醸造(新潟県南魚沼市)「塩こうじ」「八海山」の酒蔵こうじを使用。雑味がないという。140グラム入り、参考価格は630円
山梨銘醸(山梨県北杜市)「造り酒屋のかける塩麹」「七賢」の酒米を使用している。180ミリリットル入り、400円
マルコメ(長野市)「プラス糀 生塩糀」「糀ジャム」などこうじをテーマにしたシリーズの第7弾。200グラム入り、参考価格は248円。5月下旬発売
ハナマルキ(長野県伊那市)「塩こうじ」酵素の力が競合品に比べ約2倍強いという。180グラム入り、想定価格は298円
六甲味噌製造所(兵庫県芦屋市)「塩糀」こうじを手作業で作っている。140グラム入り、588円
特定非営利活動法人赤穂盛り上げ隊(兵庫県赤穂市)「赤穂手作り塩麹 播州天麹(ばんしゅうあまこうじ)」にがり入りの赤穂塩を合わせている。250グラム入り、630円

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