放射性物質の汚染水を回収・ろ過 アイワコーポが除染機
産業資材の製造販売を手がけるアイワコーポ(福島県郡山市)は、放射性物質の汚染水を回収しながら路面などを高圧洗浄できる除染機を開発した。作業員の被曝(ひばく)や汚染水の周囲への飛散を防ぎつつ、効率的に家屋を除染できるという。今後本格化する除染作業を担う建設会社やリース会社に売り込む。
商品名は「オレンジカート」。住宅の壁や屋根、ブロック塀や路面などに水を高圧で噴射し、付着した放射性物質を洗い流す。汚染水は即座に吸引し、付属の吸着フィルターでろ過。再度循環させて洗浄水として使用する。放射性物質が吸着したフィルターのみ交換する仕組みだ。
従来の除染機は汚染水が拡散したり、回収後の汚染水から放射性物質を分離するために薬剤を必要としたりするケースが多かったという。開発は建築環境工学を専攻する東北文化学園大学の野崎淳夫教授が監修し、東経連ビジネスセンターが費用を助成した。
本体は縦97センチメートル、横70センチ、奥行き78センチ。価格は本体が税抜きで290万円、専用の吸着フィルターが20本で同4万円。