秋田市新庁舎、再入札も不調 参加申し込みゼロ
人件費や資材高騰、業者「採算合わない」

2013/8/22付
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秋田市の新庁舎建設工事の入札が再び中止となった。公募期限の20日までに入札参加の申し込みが1社もなかったためだ。6月下旬に予定した当初の入札で全指名業者が辞退したことを受け、予定価格を1割近く引き上げて再公告していた。それでも工事業者側は人件費上昇などで市の予定価格では採算が厳しいと判断している。市との開きは依然大きく、建設工事の行方は不透明だ。

完成から50年近く経過した秋田市庁舎。右側の隣接地に新庁舎を建設する

現在の秋田市庁舎は完成から50年近くが経過、2009年度の耐震診断で補強が必要と判定された。新庁舎は現庁舎の東側の敷地に鉄筋コンクリート造り地上7階、地下1階建てで計画。15年秋の完成を目指していた。

市は今年6月下旬に予定していた1回目の入札では予定価格を約96億円と公告。入札参加の資格を5つの共同事業体(JV)が得ていたが「人件費や資材が高騰しており採算が合わない」として5JVとも入札を辞退していた。

このため市は人件費が14%上昇、資材価格が3%上昇しているとして、予定価格を105億4400万円に引き上げて7月下旬に再公告した。市内業者に限定していた参加資格も、資材の調達能力を考えて市外の業者に広げていた。

最初の入札が不調に終わった際に、市が業者に行った聞き取りでは、各JVの見積額は予定価格を27億~34億円上回っていた。今回、引き上げ後の予定価格でも10億円以上の開きがあった。

穂積志市長は21日、再入札の不調を受けて「非常に残念。あらためて入札不調の理由を総合的に検証して方向性を決めたい」と話した。さらに「単価や発注方法など全体を検証し年内までに再公告の方向性を示したい」としている。

ただ、その一方で「価格の決め方は適正だったと思っている。実勢価格の検討はするが、法的に積算根拠を示せないものにはできない」と一方的には譲歩しない姿勢だ。

市では再公告後に設計図面の貸与を申し出た11社などから聞き取りを行ったうえで、庁舎本体の工事以外の現庁舎の解体工事など関連工事を含めた全体の見直しを進め、今年度内の契約を目指して方向性を決める方針。

国は来春にも消費税率の引き上げを検討している。新庁舎建設費の税率は、消費増税の半年前までに契約すれば現行税率の5%で済むが、今回の入札不調で契約が間に合わない公算が大きくなっている。入札の遅れは市民の負担増につながりかねない。

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