宮城県、仙台空港民営化へ官民会議新設
宮城県は仙台空港の民営化に向けて準備作業を本格化させる。31日に空港運営に関心を持つ企業や個人を集めた官民会議を新設、7月から関係者間で具体的な将来像を詰め始める。国が管理する空港の民営化第1号を目指して県内の機運を高める狙いで、旅行や物流、商社など大手企業の参加も想定。同会議は実際に空港を運営する際の母体になる可能性が高い。
県が新設するのは「仙台空港600万人・5万トン実現サポーター会議」。旅客数と貨物取扱量を中長期的に拡大していくとする目標の達成に向け、関係者で協議する。31日から県のホームページで参加者を募る。募集の目標人数や団体数などは定めない。参加費は無料で、県はメールなどで随時情報提供していくという。
県は「空港の運営主体が順調に動き出すまで活動する」(経済商工観光部)としており、同会議の参加者の中から新空港の運営主体が決まる公算が大きい。最初の交流会は7月16日に開く予定で、JTBや日本通運、先ごろ仙台空港に就航した格安航空会社ピーチ・アビエーションが参加する見込み。域内外の企業に参加を呼びかけるなど、民営化へ関係者の足並みをそろえる作業を急ぐ。
周辺地域の活性化も課題だ。県は3月、観光、物流、ビジネス、防災の4機能を集約する方針を打ち出したが、具体化はこれから。空港運営にかかわる第三セクターの扱いやこれまでの債務の処理など課題も多い。民営化までに赤字脱却の糸口を見いだせるかが問われる。
民営化の根拠となる関連法案の成立はメドが立たない。政府は今国会に国が管理する空港の運営権を民間売却するための法案を提出し、2014年度中の民営化空港第1号誕生を目指しているが、実現が遅れる可能性もある。
「肝心の国の法律がなければ手の出しようがない」と県幹部も気をもんでいる。
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