フクシマのUFOはいま(震災取材ブログ) - 日本経済新聞
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フクシマのUFOはいま(震災取材ブログ)

東京電力福島第1原子力発電所で事故が起きた後、UFO(未確認飛行物体)がインターネットで一時話題になった。原発近くの上空でUFOを見つけた、という映像の投稿がネットの動画サイトに相次ぎ、「宇宙人が放射能を調べに来たのではないのか」などの書き込みが続いた。もちろん真相は不明だが、実はフクシマはUFOと深い関係があった。

福島市飯野町にはUFOマニアの聖地とされる展示館「福島市飯野UFOふれあい館」がある。山肌にある円形の建物はUFOを思わせる外観。町おこしの一環として、1992年に町が建設した。

この町ではUFOの目撃情報が多い。専門家の分析によると、展示館の裏にそびえ立つ千貫森というピラミッド型をした山が周囲の地磁気を狂わせるため、UFOの"襲来"が相次ぐという。

展示館はUFOに関する資料を約3000点収蔵している。その数は国内最多とされ、全国各地からUFOマニアが足を運んでいた。

そんな町おこしの努力に原発事故が水を差している。展示館を運営する飯野町振興公社の阿部義一事務局長は「震災後はまるっきりダメ」と肩を落とす。

幸い建物などに地震の被害はなかったものの、来館者は激減。放射性物質への懸念で観光客が減り、10月の休日の来館者は前年の3分の1程度に落ち込んだという。「リニューアルして来館者を呼び戻したい」と阿部事務局長は話す。館内にある温泉施設などを改築して、星の観測もできる設備の導入を検討している。

県内ではほとんどの観光施設が原発事故で売り上げを大きく落とし、具体的な解決策が全く見えない。そんな放射性物質に打ち勝つアイデアを、UFOに乗った宇宙人が持ってきてくれないか……と空を眺めたい気持ちになってきた。(竹下敦宣)

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