2018年12月15日(土)

秋田県産木材、復権へ一丸 木製玩具・規格統一

2011/1/22付
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秋田県内で県産木材の消費拡大策が加速している。秋田市内の企業が木製玩具を通じて、地元の木材に愛着を持ってもらおうという事業を開始。能代地区では複数の企業が木製品の規格統一に乗り出した。昨年度から国が木材自給率の向上策を打ち出していることもあり、「輸入材から国産材に需要がシフトし始めている」(県林業木材産業課)とみて、秋田スギなど県産材の復権を目指す。

「木育」という聞き慣れないプロジェクトが秋田市内で動き始めている。1.2メートル四方の木製パズルや木製の自転車、積み木などを用意したワークショップを開催し、子どもなどに秋田産の木の性質などについて知ってもらおうという試みだ。木育などの活動を通じて県産材を使った木製品の「ファン」を増やし、人形やパズルなどの商品の需要増につなげようとしている。

第1弾パズルに

仕掛け人は木製玩具の企画・販売を手掛けるワークス・ギルド・ジャパン(秋田市)のデザイナー、大野英憲さんと3DCGなどの映像やキャラクターの制作会社、フォチューナ(同)の八木沢栄治社長。異業種交流会で知り合った両氏は互いの分野を生かして何か秋田をテーマにした活動ができないかと模索し、昨年8月に「秋田木育プロジェクト」を立ち上げた。

商品の第1弾としてすでに30センチ四方の木製パズル「MOPA」を開発した。秋田スギをメーンに使い、幾何学模様のデザインに仕上げ、室内オブジェとしても使える商品として売り込む。今後はフォチューナが制作したキャラクター「なまはげワールド」の木製人形などに取り組む予定。ワークスの大野さんは「プロジェクトはまず2社で始めたが、タイアップの幅を広げていきたい。活動が県産材の良さを見直すきっかけになれば」と話す。

木材産業が盛んな能代地区では能代商工会議所が中心となり、2012年度に規格を統一した木製品の生産から受注までを一括管理する「管理センター」を立ち上げる。首都圏などからの大口注文にも対応できる体制を整える。

能代地区では100を超す木材関連の事業所があるが、多くは小規模業者。大口需要に対応できず、ビジネスチャンスを逃す機会も少なくなかった。同市の木材製品出荷額は08年で約185億円と、この30年で60%近く減少している。

新設する管理センターでは住宅メーカなどのニーズに応じて柱材やはり材などの規格を統一し、参加企業が規格に沿って製品をつくる仕組みを構築する。製材業者、相沢銘木(能代市)の網幸太社長は「協業体制を築き、木材産地としての復活につなげたい」と話す。

国産材が高値

秋田県の木材生産量は08年で82万8000立方メートルと全国5位。ただこの20年で30%減少している。

ただ、需要が低迷していた国産材に変化が訪れている。国は20年までに木材自給率を50%に引き上げるという「森林・林業再生プラン」をスタート。住宅着工の回復傾向もあり、大都市の戸建て住宅に国産材を採用する住宅メーカーが増加し、スギやヒノキの現在の取引価格は14年ぶりの高値をつけている。

こうした流れを受け、秋田県も来年度から支援策に乗り出す。農林漁業向けに創設した100億円の基金などを活用。集成材メーカー向けの原料供給工場の設立や製材業者向けの助成などを実施し、「産業の活性化を図りたい」(林業木材産業課)としている。木材産業の復活はなるのか。この2、3年が勝負の時だ。

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