2019年6月19日(水)

横浜市に再び待機児童 保育充実、子育て世帯呼ぶ
14年4月は20人に

2014/5/20付
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横浜市は20日、2014年4月1日の保育所待機児童数が20人になったと発表した。認可保育所の定員を大幅に増やしたが申込者数も過去最高となり、2年連続の「待機児童ゼロ」は達成できなかった。横浜市が直面したのは、13年4月に待機児童をゼロにしたため保育を求める世帯を呼び寄せる現象で、今後ほかの自治体でも問題になりそうだ。

横浜市は14年4月までの1年間で認可保育所を31カ所、定員を2390人増やした。だが保育所の申込者数は前年より4114人多い5万3000人弱に。鯉渕信也・横浜市こども青少年局長は「ここまでの伸びは予想できなかった」と話す。

認可保育所は1年間で31カ所増えたが…(横浜市)

認可保育所は1年間で31カ所増えたが…(横浜市)

特に申し込みが集中したのが1歳児で、前年より14%の増加。市の推計では、転入で1000人弱も増えているという。

10年4月に待機児童数が全国最多の1552人だった横浜市は企業の参入を促したり、空きのある保育施設を紹介する保育コンシェルジュを設けたりして、3年後の13年4月にはゼロにまで減らした。その手法は「横浜方式」と呼ばれている。

ただ全国の注目を集めたことで、この1年は保育を求める子育て世帯を呼び寄せ、子どもを預けて働く人も増えた。横浜市は14年度、認可保育所の整備で定員を3000人広げるなどする。

対策を充実すると潜在需要が出てくる悩みは東京23区も同じ。日本経済新聞社が23区を対象に調査したところ、比較可能な16区の4月1日の待機児童数は前年比5%増の4039人になった。保育定員は12万1000人と7%増えたが、需要の伸びに追いつかない。

ゼロの目標を掲げていた杉並区は実際には116人。田中良区長は20日の記者会見で「女性が働く率が高いので、保育(サービスの拡充)が保育(の潜在需要)を呼び込む面がある」と語った。

一方、横浜市を見習った自治体がいくつかゼロを達成した。昨年4月は政令指定都市で最も多かった福岡市が1年間で83億円を投じてゼロに。京都市も20日、4月にはゼロになったと発表した。千葉市もきめ細かに施設を紹介するなどして達成した。ただこれらの自治体も横浜同様「2年目の試練」を迎える可能性がある。

ニッセイ基礎研究所の土堤内昭雄主任研究員は「保育施設は数を増やせば潜在需要が顕在化する。個々の自治体の取り組みには限界があるので広域で需給を調整する仕組みが必要」と指摘する。今後は自治体の間の協力も重要になりそうだ。

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