水素生成時のCO2、植物工場で活用 千葉大と東ガス研究

2012/1/21付
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千葉大学と東京ガスが二酸化炭素(CO2)の有効活用に向けた取り組みを始めている。燃料電池自動車の動力である水素の生成時に発生したCO2を、千葉大学が運営する植物工場の野菜に与える。植物の光合成を促し成長を速め、収量を高めたり野菜の甘みを強めたりする効果を期待できる。CO2排出量の抑制にもつながる世界で初めての試みという。

昨年12月から供給を始めた。東京ガスが運営する羽田水素ステーション(東京・大田)で回収したCO2を液化。ボンベに詰めて車で運ぶ。毎月計320キログラムが植物工場で育つトマトに与えられる仕組みだ。

植物の成長には光とCO2が不可欠。大気中のCO2だけでも生育するが「通常より栽培密度を上げている植物工場ではより多くの量が必要」(千葉大学大学院園芸学研究科の丸尾達准教授)だ。

これまで植物工場に必要なCO2は液化石油ガス(LPG)や灯油を燃焼させてハウス内に送り込むのが主流だった。一方、東京ガスでは回収したCO2を地中に埋めて処理してきた。試みが成功すれば東京ガスはCO2の処理費用を、植物工場は調達費用を抑えられる。

今回の研究では約1000平方メートルのトマト栽培施設のCO2濃度を通常の2.5倍にあたる1000PPMに高める。「トマトの生産量を20%、糖度を0.5~1度上げる効果が期待できる」(丸尾准教授)という。

今後は「分離回収や運搬にかかる費用を検証する」(東京ガス技術開発本部西尾晋主幹)のが課題。距離によってはパイプラインを使い、直接送り込む方が効率的な場合もある。「農家で使ってもらえるのに見合うコストにしないといけない」(丸尾准教授)。市販の液化炭酸ガスと同じ効果が得られるかの検証も必要だ。

3月には共同研究の結果をまとめる予定。将来の実用化に向けて注目が集まる。

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