2018年10月24日(水)

秋田の三セク2鉄道、観光に活路 集客へ企画続々

2012/4/21付
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秋田県内の第三セクター鉄道、秋田内陸縦貫鉄道(北秋田市)と由利高原鉄道(由利本荘市)が「観光路線」へのシフトを進めている。沿線人口が減少するなか、収益力の向上には沿線以外から観光客を呼び込むことが不可欠なためだ。両社とも昨年、全国への公募を経てサービス業出身の新社長が就任。旅行会社へトップセールスなどに駆け回る。

由利高原鉄道では今年から毎年1台ずつ3年をかけて車両を更新する

由利高原鉄道では今年から毎年1台ずつ3年をかけて車両を更新する

■ファンへPR

「お客様から接客が良くなったとの声を聞くようになった。親切な応対を心がけ、全員がベクトルを合わせて仕事に取り組んで欲しい」。

1日の秋田内陸縦貫鉄道の新年度出陣式。昨年12月に就任した酒井一郎社長は最近導入した「ちょうネクタイ着用効果」を挙げながら職員を前に檄(げき)を飛ばした。「観光路線」を宣言し、通勤・通学客以外の顧客取り込みを図る姿勢も示した。

観光集客に向け、10月までに7つの新企画を実施する。キーワードが鉄道ファンへのアピールだ。

第1弾として5~6月にはカメラや鉄道好きの女性限定の写真コンテストを開催。内陸線好きが高じて東京から沿線に移住し、話題になった「内陸線サポーター」、大穂耕一郎氏を囲んだイベントも5~9月に月1回のペースで実施する。

9月にはシンポジウムやビンゴゲームなど、鉄道ファンのためのイベント「内陸線サミット2012」も予定。3月からはオリジナルグッズのネット販売も始め、知名度アップを狙う。酒井社長は「特定層でもいいから全国から集客できる企画が必要。鉄道ファンはその一手」と話す。

■トップセールス

昨年7月に就任した由利高原鉄道の春田啓郎社長も観光集客に奔走する。昨年は仙台、新潟、山形などの旅行会社にトップセールをかけ、山ろく線との共同企画を何本も仕掛けた。

自社企画も含め、これまで月1回のペースでイベントを実施。今月から新型車両を導入したこともあり、今年度は1.5倍に増やす計画だ。現在は定期客と定期外客の比率が6対4だが、春田社長は「将来的には5対5に持って行きたい」と意気込む。

自らも鉄道マニアという春田社長も秋田内陸縦貫鉄道と同様、「鉄道ファンへのアピールが欠かせない」と話す。昨年は1フロアを鉄道関連本にさく東京の大手書店にも出向き、由利高原鉄道コーナーの開設を実現。鉄道専門雑誌社にも足を運び、数誌が特集を組んだという。

両社とも全国的な知名度は決して高くはない。ただ「鉄道は人を呼び込む要素がある」との思いは一致する。東日本大震災の影響で秋田への観光客数は減少しているだけに、新たな観光資源に変身できるか。挑戦は始まったばかりだ。

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