シダックス創業者、山梨でワイン用のブドウ栽培へ
シダックス創業者で同社最高顧問の志太勤氏は18日記者会見し、山梨でワイン用のブドウを栽培することを明らかにした。山梨県北杜市で4月をメドに農業生産法人を設立し、2014年4月から同市内でフランスのブドウ品種を生産する。欧州で主流の垣根栽培に取り組み16年には出荷。醸造後、シダックスグループの飲食店に供給したり、小売りしたりする。
北杜市の標高700メートルに位置し、ブドウ栽培に適しているとされる明野地区の耕作放棄地20ヘクタールを借り受ける。農業生産法人は、栽培管理で10人程度の雇用を計画。土地造成や地元の農業委員会との調整を経て、来年4月にまず5ヘクタールに植え付ける。ピノ・ノワールやシャルドネといった仏品種のブドウを植え付ける。
垣根栽培は苗を土に植えて枝葉を縦列で育成する方法。欧州で用いられており、国内の棚栽培といわれる枝を横に向かって伸ばす方法と異なる。垣根栽培は棚栽培より酸味と糖度が凝縮されるという。農業生産法人は3年かけて栽培した後、醸造工程に移す。同氏が静岡県伊豆市に構えるワイナリーに運んで醸造するか、新たに醸造所を設けるかは今後詰める。
栽培用地全体に植え付けてフル生産すると、ワインのボトル換算で年間26万本を供給する見込み。志太氏は会見で、「北杜で収穫したブドウはワインだけでなく、健康飲料にも応用したい」と抱負を述べた。