静岡県内公示地価、下落率やや縮小 商業地1.7%、住宅地1.4%

2011/3/18付
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国土交通省が発表した静岡県の公示地価(2011年1月1日時点)は、住宅地・商業地ともに3年連続で下落した。いずれも下落率はやや縮小し、静岡市の商業地、長泉町の住宅地で上昇地点があった。首都圏に近い東部・伊豆の市町はほぼ横ばいの地点が目立つ。ただ東日本巨大地震が地価動向に影響するのは必至で、回復傾向が続くかどうかは不透明だ。

商業地は平均1.7%下落し、前年調査に比べ下落幅が1ポイント縮小した。静岡市の1地点が上昇し、沼津、三島、富士、裾野の各市に計8地点が横ばい。そのほかの地点は下落した。

唯一、上昇したのはJR東静岡駅周辺。区画整理事業や大型商業施設の出店計画が進んでいる地域だ。周辺での住宅建設も活発で「今後の発展に対する期待感が反映されたのではないか」(地元の不動産業者)という指摘がある。

浜松市も下落幅が縮小した。閉店した百貨店の松菱近くで、市内の最高価格地点でもある中区鍛冶町の調査地点の下落率は2.8%にとどまった。「大丸の出店撤回で前年に大きく下げた分、極端に下落しなかった」(浜松担当の不動産鑑定士)という。

中心市街地では、衣料品店を中心に閉店の動きが、じわじわと広がっている。景気低迷と空洞化で不動産取引は低調。「3年前には1平方メートル100万円の売買も散見されたが、最近は50万円程度が数件」(同)。浜松商工会議所の石井義勝副会頭は「松菱の跡地が浜松への投資を阻害している」と話す。

市町別の変動率上位には、道路整備が進み、横ばいとなった裾野市を筆頭に、三島市(0.4%下落)、沼津市(0.5%下落)と東部・伊豆地域が並んだ。静岡市は1.9%、浜松市は1.3%それぞれ下がったが、いずれも前年より小幅な下落にとどまった。

巨大地震を受け不透明感が漂っている。県内の大手建設会社の社長は「今年後半にかけて円高や経済悪化の影響がじわりと出てくるのではないか」と指摘。不動産情報サービスのシービー・リチャードエリスは「駅近くの条件のよいところは回復の予感があったが、先が読めなくなった」(名古屋事業部)と話す。

住宅地、長泉町の上昇幅拡大

静岡県内の住宅地は平均1.4%下落した。前年より0.8ポイント下落幅が縮小した。上昇した4地点は全て長泉町内にある。横ばいの地点も沼津市や三島市、裾野市など東部に集中する。

市町別の平均変動率で見ると長泉町が1.7%上昇し、前年調査(0.3%上昇)より上昇幅が拡大した。JR三島駅を利用し、首都圏に新幹線通勤ができる住宅地が多い。中学生まで医療費を無料にするなど、手厚い子育て支援策から人気を集めている。

静岡市なども下落幅が縮小した。住宅版エコポイント制度など政策効果があるほか、地価が高かった土地が多かっただけに「ここ数年の地価下落で底値感が出てきた」(不動産鑑定士)という。

ただ高齢化が進む地域では下落幅が拡大する自治体もあり、地域差が顕著になっている。

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