食用菊の押しずし開発 ニューオータニ長岡
コメ・鮭も県産 通年化、特産品に
ホテルニューオータニ長岡(長岡市)は、新潟県特産の食用菊を使った押しずしの販売を始めた。コメや鮭(サケ)にも県内産の原材料使用にこだわった。冷凍保存をした酢漬けの食用菊を使うため、通年商品として売り込める。菊を食べる新潟の食文化を全国に発信し、特産品の消費拡大を通じて生産農家の支援にもつなげたい考えだ。

新製品「にいがた菊鮭寿し」のうるち米は粘りけがある県内産「こしいぶき」を使う。つなぎに使うとろろ昆布以外は主な原材料に県内産を使用している。押しずしに欠かせない魚には佐渡市の水津漁業協同組合(佐渡市)が養殖している佐渡産の「銀鮭」を使う。
価格は10貫入り240グラムで1個1200円。賞味期限は常温で3日間で、製造はハママンフーズ(長岡市、大島基社長)に委託している。すべて手作りとなるため、1日60個程度に生産量が限られている。同ホテルのほか横山商店(長岡市)の新潟駅ビル店と長岡駅ビル店の計3カ所で約20個ずつの数量限定販売となる見込み。
苦みが全くない食用菊は清涼感やシャキシャキした独特な食感、そしてしっとりとした味わいが特徴。菊鮭寿しに使う赤系の食用菊はJA新潟みらい(新潟市)とJA越後ながおか(長岡市)からそれぞれ白根地区特産の「かきのもと」、長岡産の「おもいのほか」の供給を受ける。
菊を食べる文化は新潟県や山形県などで盛んだが、全国には浸透していない。「将来は富山のますずしと並ぶ認知度の高い特産品に育てたい」(ホテルニューオータニ長岡)考えだ。
JA新潟みらい管内の白根地区が県内の出荷量の約8割を占める最大の産地。ただ水害の影響を受け、今年の出荷量は20トンと平年の5分の1前後にとどまっている。加工用に回る量が抑えられる見通し。新しい特産品に育てるため、県内特産の食用菊の安定確保などが課題になっている。
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