埼玉県寄居町、ホンダや大和ハウスと連携しエコタウン建設
埼玉県寄居町は太陽光発電などを活用してエネルギーの地産地消を進める「エコタウン」の整備に乗り出す。ホンダや大和ハウス工業など民間企業と実現に向けた研究会を設置。2013年秋をメドに400戸の住宅を用意し、地域内の電力需給を調整する仕組みを構築する。同町は埼玉県が計画している同様のプロジェクトの候補地になっているが、民間との連携により実現のスピードを上げる。
17日に研究会を設置する。大和ハウス、ホンダのほか、ホンダグループの太陽電池の製造・販売会社や不動産・建設会社など計6社が参加する。4月に具体的な実施計画をまとめて、正式なプロジェクトチームを結成。参加企業をエレクトロニクスや光ファイバー関連など10社程度に広げる。
プロジェクトチームは建設する住宅の具体的な仕様などを決める。現状では各戸に太陽光パネルのほか、家庭用蓄電池、スマートメーター(次世代電力計)などを設置するほか、ハイブリッドカーなどと連動した環境対応型の住宅とする方針。街灯を発光ダイオード(LED)に替えるなど街としての消費電力を抑える取り組みも進める計画だ。
エコタウンで利用する電力は県が同町内で計画するメガソーラー(出力2000~3000キロワット)や、ホンダが13年に稼働させる寄居工場に設置するメガソーラーの活用を視野に入れる。地域全体の電力の需給調整や融通などを担うエネルギーコントロールセンターも設けて、電力を無駄なく使う仕組みを整える。
具体的な事業化に向けては、寄居町土地開発公社が民間や県などから土地を購入し、住宅地として整備する予定。町南地区の8.5ヘクタールが対象で、民間と連携しながら、戸建て住宅110戸のほか、アパートなどの集合住宅で290戸を分譲する考えだ。
エコタウンの整備を巡っては埼玉県も同様のプロジェクトを計画しており、昨年11月には寄居町を含む5市町を候補地として選定した。12年4月にも2~3自治体に絞る予定だ。