2018年6月22日(金)

被災の阿部長商店、ネット経由で伝票入力を中国移管

2012/1/17付
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 東日本大震災で大きな被害を受けた水産加工の阿部長商店(宮城県気仙沼市、阿部泰浩社長)はIT(情報技術)を活用して経営を効率化する。伝票入力業務をインターネット経由にし、中国・大連の現地法人に移管する。営業情報を共有するシステムも導入した。事務負担を減らして営業に注力し、震災で落ち込んだ売上高の回復を図る。

 本社の総務部門が担当している伝票入力作業は3月から順次、大連に移す。手書きの請求書や売上伝票を画像データにして送信、中国人社員が会計システムに接続して数値を入力する。財務状況を即時に把握できる仕組みにし、経営戦略を立てやすくする。総務部門の事務負担を軽減し、営業支援の体制を手厚くする狙いもある。

 営業部門では情報共有システムの試験運用を始めた。社長を含めた約30人の行動予定や商談の進捗状況をパソコンやスマートフォン(高機能携帯電話)で確認可能にした。震災前は各担当者に案件が任されており、営業活動の全容が把握しづらかった。情報共有で各担当者が連携して組織全体の営業力を強化する。

 経費削減にも取り組む。ホテルや物販店を経営する観光部門に2月、共同購買システムを導入する。これまでは各ホテルや店舗が別々に商品を発注しており、同じ仕入れ先でも価格が異なることがあった。購買情報を一元管理し、仕入れ原価を5~10%削減する。

 システムはいずれもネット経由でソフトを使う「クラウドコンピューティング」を活用する。導入コストが安く、災害に強い点を評価。被災企業のクラウド導入を支援する東北産業振興協会(仙台市)の助言を受けた。

 同社は震災で気仙沼市や岩手県大船渡市の工場が被災した。2010年12月期にグループ全体で約200億円あった売上高が11年12月期は半減したもようだ。IT活用による営業強化で、14年12月期には震災前の売上高回復を目指す。

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