2019年1月23日(水)

フッ素樹脂、通気性高く軽い新素材 中興化成が自動車向け

2011/12/16付
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栃木県鹿沼市に工場を持つ中興化成工業(東京・港、庄野直之社長)は耐熱性があるフッ素樹脂に微細な穴をあけ、通気性やはっ水性を高めた「多孔質体」の素材を開発した。フッ素樹脂は自動車の排気関連部品などに使われており、自動車メーカーなどでは通気性などに優れた素材へのニーズが高まっていた。様々な用途に使える複雑な形状のタイプも生産を始めており、自動車向けの多孔質体の素材を主力製品に育てる考えだ。

フッ素樹脂は耐熱性などがあり、燃えにくく、ガス抜き用の管や通電用の電線を包む素材などとして使われている。自動車では排気部分の酸素センサーや、エンジンを制御するエンジンコントロールユニット(ECU)、ヘッドライト周辺のガス抜き部品などに使われている。

フッ素樹脂を巡っては、通気性などが高まることで熱を逃がしやすくなるため、そうした製品の開発を求める声が自動車メーカーなどから上がっていた。これらの経緯を踏まえ、同社はフッ素樹脂をつくる過程で特殊な化学物質を加えるなど独自の技術を生み出し、多くの微細な穴があいた多孔質体の素材を開発することに成功したという。

さらに同社はチューブ状の多孔質体の素材に複数の通し穴をあけたり、断面を四角形にしたりと複雑な形状の製品の生産も始めた。自動車の電子化が進む中、メーカー側では多様な電子部品に使える複雑な形状の素材へのニーズも高まっており、これに応えた。

多孔質の素材は一般的なフッ素樹脂の素材に比べて重さが半分以下と軽い。必要な素材の量が減ることからコストも40%程度抑えられ、コスト低減の意味でもメーカーの要望に応えたという。

一般に自動車1台につき、部品などに200~300グラムのフッ素樹脂が使われていると言われている。調査会社の富士キメラ総研(東京・中央)によると、2009年の自動車向けの世界需要は1万9000トン。13年には2万9000トンへと増える見通しという。

中興化成工業の2010年度の連結売上高は129億4000万円。同社のフッ素樹脂製品は商社などを通じ、トヨタ自動車、ホンダなどに素材を納入しているが、医療機器や航空宇宙関連でも自動車向け素材の技術を応用したい考えだ。

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