被災の仙台を歩く 食品・ガソリン…乏しい物資
対策本部、救援へ時間との戦い

2011/3/15付
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地震発生から4日目。平日の朝を迎えた仙台の街中で目立つのが長い行列だ。JR仙台駅近くにあるダイエー仙台店は1階と地下の日用品、食品売り場に限って午前9時半から開店した。夜中から数百人が行列をつくり、その長さは開店後には900メートルに及んだ。行列は青葉通りに面した店から広瀬通りを越え定禅寺通りまで延びている。仙台に土地勘のある読者ならその長さをわかっていただけると思う。並ぶのをあきらめる人も多い。

ダイエー仙台店の行列は900メートルに及んだ

ダイエー仙台店の行列は900メートルに及んだ

ガソリンスタンドも深刻だ。宮城県庁近くのスタンドに並ぶ車は700メートル。しかし午前10時には「売り切れ」の紙を持った店員が運転手に見せて回っていた。それでも行列を離れる車はほとんどない。緊急車両も並んでいる。

仙台と山形を結ぶ高速バスはピーク時には5分間隔で運行される大動脈だ。運転手の確保や道路状況の問題で本数は大幅に減っており、バス停の行列はとぐろを巻いている。

………

未曽有の大災害に見舞われた宮城県。情報収集や救援の司令塔に当たるのが、村井嘉浩知事が本部長を務める「宮城県災害対策本部」だ。1日に2~3回開く対策本部会議は救援方針を決めたり、関係省庁との調整をしたりする重要な場だ。

県庁の4階の会議室。楕円(だえん)形のテーブルには県庁の主要部局のトップのほか自衛隊、県警本部、消防、気象庁、東北電力などの現地トップや担当者ら約30人が座る。政府からは東祥三・内閣府副大臣(防災担当)、阿久津幸彦・内閣府政務官、市村浩一郎・国交省政務官らが加わっている。

対策本部会議では救援の意思決定や政府との調整が続く(14日、宮城県庁)

対策本部会議では救援の意思決定や政府との調整が続く(14日、宮城県庁)

それぞれが順に、被害・救援の現状、救援の課題、他の部署や政府への要望を述べていく。内容は具体的だ。14日の会議では遺体を安置するために必要なブルーシートの調達方法について意見が交わされた。

「緊急性が高い問題なので担当部と警察は調整してください」「政府に伝えておきます」――。村井知事や東副大臣が指示を出したり、要請に応えたりする。こうしたやり取りの中で対策の優先順位が決まっていく。

会議はマスコミにもオープンだ。質問はできないが発言ややり取りは聞くことができる。「ボランティアの人が来るのはまだ早いとマスコミは報じてください」。時にはマスコミへの要望もある。

13日の会議では竹内直人・県警本部長が「死者が万人単位に及ぶのは間違いない」と発言。出席者の表情が一斉に曇った。地震発生から時間がたつにつれ、対策本部幹部らの緊張感と焦燥感が高まっている。

(仙台支局長 橘高聡)

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