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神奈川の中小「脱下請け」急ぐ 自社ブランド開発、異業種参入

急激な円高を背景に大手企業の海外生産シフトが進むなか、神奈川県内の中小製造業が「脱下請け」に向けて新規事業に乗り出している。自社ブランドの製品を開発するほか、小売業など異業種に参入する動きが相次ぐ。収益源を多様化することで、特定の発注元に依存しない経営体質作りを急ぐ。

金属表面処理の不二WPC(相模原市)は従来品に比べ摩擦を半減できるエンジンピストンを開発した。自動車メーカーに納入するのではなく、カー用品店などで自社ブランドとして10月にも販売する。「(円高などで)大企業の経営環境が厳しいなか、自助自立できる体制を整える必要がある」(下平英二社長)と考えた。

同社は神奈川県産業技術センターと組み、これまで困難だったアルミ製品に「ダイヤモンドライクカーボン(DLC)」と呼ばれる硬質炭素をコーティングする技術を確立。同社のピストンを使うと摩擦が減り、エンジン全体のエネルギー効率を1割高められるという。販売価格は3万~5万円の見通し。

自動車用の塗装機械の日鉄工営(横浜市、原信吾社長)は15日、まきを燃料にした戸建て住宅向けの暖炉を発売する。機械製造の溶接技術を応用し、鋼鉄製のストーブを開発。間伐材だけでなく建築廃材も燃料にできる。東日本大震災後の燃料不足への懸念から東北などの寒冷地では、まきを使った暖房設備に引き合いが増えているという。初年度は500台程度の販売を見込む。

プラスチック金型のモルテック(川崎市、松井宏一社長)は専修大学の学生らと共同でプラスチック製のアクセサリーを商品化した。「P-art」ブランドで、国際現代美術展「ヨコハマトリエンナーレ2011」の会場で販売を始めた。将来は同社の売上高の3割まで高める計画だ。

異業種に参入する企業も出てきた。機械大手の製造請負などを主力とするミヨシ・ロジスティックス(相模原市、吉田潔社長)は海老名市内に小籠包(ショウロンポウ)専門店「無錫小籠包 王興記」を13日に開いた。中国の飲食店などと合弁会社を設立し、運営している。年間7200万円の売り上げを目指す。

電力不足や急速に進む円高などを背景に製造業大手の海外生産シフトが加速する可能性がある。神奈川県産業技術センターの大塚康男所長は「海外展開が難しい中小企業は自社が持つ技術を活用し、自動車やIT(情報技術)産業以外の収益源を探る必要がある」と話す。

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