岩手・仙台・大東銀、業績予想の公表見送り 取引先被害で

2011/5/14付
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岩手銀行、仙台銀行、大東銀行は2011年3月期の決算発表で12年3月期の業績予想の公表を見送った。津波で沿岸部の融資先が甚大な被害を受けており状況把握が困難なため。11年3月期に貸倒引当金を積み増したものの、今後さらに不良債権が増え、処理損失が膨らむ可能性がある。震災の二次被害が広がる懸念もあり、各行は取引先の経営状況を注視する構えだ。

仙台銀は11年3月期に約29億円の貸倒引当金を積み増した。総貸出残高の約1割にあたる融資先が沿岸部にあった。震災で連絡が取れない融資先があるため、津波被害を受けた沿岸部の融資先の債務者区分が一律で1段階下がったと想定して引当額を算出した。

ただ、工場や店舗を丸ごと流された企業もあり、被害状況が明らかになれば今期に貸倒引当金の追加繰り入れを迫られる可能性もある。三井精一頭取は今期の見通しについて「黒字を目指すが融資先の状況次第で数字は変わる」と説明した。

福島県を営業基盤とする大東銀行は、東京電力福島第1原子力発電所の事故の影響が大きい。避難区域の事業停止や風評被害などを受けて、融資先の経営状態が悪化する懸念があり、引当金の見積もりが難しくなっている。

同行は11年3月期に浜通り(太平洋側)地方を中心に貸倒引当金を積み増すなど合計20億円の震災関連損失を計上した。観光、農業などの風評被害は原発周辺にとどまらず、県内全域で深刻化する懸念がある。「(今期の引当金を含めた業績予想は)これから算定する」(鈴木孝雄社長)として公表を見送った。

11年3月期に黒字を維持した岩手銀行も今期の業績予想の公表を先送りした。直接の被害が比較的小さかった企業にも、取引先の被災などでどの程度の影響が出るか見極める必要があるためだ。同行は前期に震災関連で約69億円を特別損失に計上した。高橋真裕頭取は「12年3月期も先送りせず前倒しして処理し(13年3月期までの)2年間で大震災による負の影響を一掃する」と話した。

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