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がんの手術中診断20分で 秋田の産学官が検査装置

がんの有無を短時間で検査する装置を秋田県内の産学官などが開発した。電圧をかけて振動させ切除した組織の抗原と抗体の反応を早める装置で、従来は1時間以上かかっていた検査を20分程度に短縮できる。手術中に精度の高い診断ができ、切除範囲の縮小など患者負担を軽減できるという。

12日から医療機器製造のサクラファインテックジャパン(東京・中央)を通じて医療機関向けに販売を開始した。

開発に参加したのは、ソフトウエア開発のアクトラス(秋田県横手市)、精密機械製造の秋田エプソン(同県湯沢市)、機械部品製造のセーコン(横浜市)の3社と秋田大学、秋田県産業技術センターなど。

手術中のがん範囲の診断は「HE染色法」という細胞全体を染色、病理医が顕微鏡で細胞の形を目視して確認する手法が一般的。5~10分程度で確認できるが、リンパ節への微小な転移などを見逃す恐れがある。

一方、精度の高い「免疫染色法」は、切除した組織の抗原と抗体が微粒子の動きによって反応するのを静置して待つため、診断に1時間以上かかっている。

秋田大大学院医学系研究科の南谷佳弘教授は「HE染色法に頼ってきたが、微小な転移はみつけられなかった。結果として再手術など患者に負担がかかることがあった」と話している。

開発した装置はレンズや半導体を研磨するために微粒子を速く動かす県産業技術センターの技術を応用。切除した組織の抗原と抗体の接触頻度を振動を使って高めることで20分程度でがんの有無や進行度合いを判定できる。電圧をかけても温度上昇がなく、組織が変性する恐れがないという。

秋田大のほか、弘前大、北海道大など計7大学1病院で研究会をつくり機器の評価をしてきた。1台350万円(税抜き)で、3年以内に60台の販売を目標にする。

秋田大医学部付属病院の南條博准教授は「がんの種類や進行度に合わせて、切除しなくても抗がん剤の治療で済むといった診断が手術中に判断できる」と話した。

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