東北の水産加工、一部で生産再開 「笹かま」工場稼働

2011/4/13付
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 東日本大震災で被災した東北の水産加工会社の一部が生産再開にこぎつけている。かまぼこ大手の鐘崎は今月から平常時の半分以下の水準ながら仙台名産の「笹かまぼこ」の製造を始め、阿部蒲鉾店(仙台市)の工場も稼働し始めた。取引関係や従業員の雇用維持のためにも各企業はできるだけ早く再び操業したい考えだ。ただ、津波は広い地域に大きな被害をもたらし、原料調達や物流のルートも正常化していない。生産の動きが広がるにはなお時間がかかりそうだ。

 鐘崎は3月末から本社工場で少しずつ生産を再開し、今月から一定量を安定して作れるようになった。工場のある仙台市若林区は津波に襲われたが、工場には到達しなかった。ただ、営業可能な店舗は12日時点で全38店の約4割にとどまり、生産水準は通常の半分以下。「店舗復旧にあわせて生産量を増やす」(庄子健一常務)という。

 阿部蒲鉾店も仙台市内の工場で生産を始めたが、東北新幹線が仙台駅まで復旧しておらず、大口販売先だった土産店での売り上げが減少。このため生産量の調整と従業員の雇用維持を目的に、従業員を4つのグループに分けて4日ごとに順番に出社させている。

 白謙蒲鉾店(宮城県石巻市)は今月中旬の生産再開を目指す。石巻湾沿岸にある主力工場は大きな被害を受けたが、市街地にある本店工場に復旧のメドがついた。高政(同県女川町)もかまぼこなどの商業生産を今月下旬に再開する。本社工場は津波被害を免れたが、「協力工場が被災し生産量は約3割になる」(三嶽広之常務)という。

 甚大な被害を受けた三陸沿岸の企業も生産再開に向けて動き出した。

 阿部長商店(同県気仙沼市)は昨年8月に完成したばかりの岩手県大船渡市の工場が被災。1階は冷凍・冷蔵庫や加工機械が水につかったが、2階の加工場は比較的に被害は小さい。「今年秋には操業を再開したい」(阿部泰浩社長)という。気仙沼市の工場も被災しておりグループで800人いる従業員は休職にし、再開した施設から職場に復帰してもらう。

 焼き魚や煮魚を製造・販売する小野食品(岩手県釜石市)は今年2月に完成した同県大槌町の大槌事業所が津波でほぼ全損。小野昭男社長は「(釜石市の)本社工場を含めて被害額は4億円程度」とみる。三陸産の原料が不足するため北海道や九州からも調達し6~7月の生産再開を目指す。

 生産再開の動きは出ているが、津波で事業所ごと流された企業も多く、復旧見込みが立っていないのが実情だ。宮城県水産加工業協同組合連合会によると、宮城県の気仙沼市や石巻市では9割を超す事業所が壊滅的な被害を受けたという。

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