気仙沼の水産加工17社が協同組合 新ブランド、商社など連携

2012/8/10付
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宮城県気仙沼市の水産加工業17社が連携し、新たに整備する加工団地を運営する協同組合を設立した。住友商事、三井物産の支援で共同ブランドを立ち上げ、新たな販路をひらく。上水施設なども組合で共同運営してコストを減らす。将来は原材料の共同購入などに踏みこんだ連携も視野に入れ、新たな企業誘致によるスケールメリットの拡大を目指す。

地元企業や水産大手の子会社などが「気仙沼鹿折加工協同組合」を7月に設立。9日に気仙沼市内で設立披露会を開いた。組合理事長で、わかめ加工品などを手がける、かわむら(気仙沼市)の川村賢寿社長は「震災前に戻っても未来は開けない。組合でブランドを立ち上げ、国内外に発信したい」と意欲を語った。

組合は気仙沼湾北側の鹿折地区に工場を設けていた企業が中心となって発足した。2商社に加え、行政や地元金融機関、県内の大学なども幅広く支援メンバーに迎えた。現在、市などが同地区に約11ヘクタールの水産加工団地の整備を進めており、地盤のかさ上げ工事などが終わる来秋以降に団地の共同運営を始める。

活動の第1弾として、約5000万円を投じて新団地の隣接地に仮設の加工場を8月下旬にも新設する。津波で被害を受けた工場の復旧が遅れているヤマグン(同、高橋哲朗社長)ら3社が共同利用し、サバ加工品などの生産を再開する。団地整備後は地下水を用いた淡水、滅菌海水の給水施設や超低温冷蔵庫、ショールーム機能などを持たせたビルも設ける構想。総事業費は50億~80億円となる見通しだ。

商品開発などソフト面でも手を組む。大手流通企業を関係会社にもつ2商社と連携することで消費者ニーズを吸い上げ、市場に受け入れられる高付加価値商材の開発につなげていく。

今後は、新たなパートナー企業の誘致が課題となる。「より多くの仲間を迎えることができれば、設備を運営する費用の負担も小さくなる」(川村理事長)。組合企業の連携による利点に加え、行政の立地優遇制度などの公的支援も訴求して新たな企業の誘致を進めていく考えだ。

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