AC長野、JFL2位でもJ2昇格に課題 競技場・入場者数…

2011/12/10付
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日本フットボールリーグ(JFL)所属のサッカーチーム、AC長野パルセイロ。JFL昇格1年目の今季、本拠地の長野市で4日に開催した最後のホーム試合でFC琉球に勝ち、1試合を残してリーグ2位を確定させた。好成績で悲願だったJ2昇格の期待が高まるが、なお課題も多い。

4日、長野市の南長野運動公園総合球技場で開催した今季最後のホーム試合に、3075人の観客が足を運んだ。チームはFC琉球に3-1で快勝。惜しくも優勝は逃したものの、リーグ2位を確定。昇格1年目としては快挙だった。

一方、松本市を本拠地とする松本山雅FCはこの日、J2昇格ラインの4位以上を決め来季のJリーグ入りを確実にした。順位で松本山雅を上回るAC長野はJFLにとどまる。これはJ2昇格に際し、事前に「Jリーグ準加盟」となる必要があるからだ。

準加盟制度はJリーグへの参入チームが安定してチーム運営ができるよう設けた入会基準。ホームスタジアムの設備や入場者数、財務面などの項目からなる。JFLの全18チーム中、松本山雅を含む5チームが承認済みだ。J2へ昇格するには、その2年前の11月末までに準加盟を申請することが条件となる。

AC長野は今年準加盟の申請をしたため、承認されてもJ2昇格の資格を得られるのは最短で2013年のシーズン。最大の課題であるホームスタジアムの整備にかかる期間を踏まえると「善光寺ご開帳のある16年より前の15年シーズンには遅くとも昇格を果たしたい」とAC長野の運営会社、長野パルセイロ・アスレチッククラブの小池睦雄社長は話す。

Jリーグは椅子席が1万以上あるスタジアムの整備を求めているが、AC長野が本拠地としている南長野運動公園総合球技場は芝生席を含めても6千にとどまる。2万席を備える松本平広域公園総合球技場(アルウィン)でJFL加入前から試合を開催してきた松本山雅に見劣りする。

準加盟申請の際に求められる自治体からの支援文書で長野市は「南長野運動公園総合球技場の改修は可能で、整備に向け検討する」と表明。建設費用は約60億円と見込み「来年度中にも予算案を提出したい」(市企画課)考えだ。長野市民会館の建て替えなど大規模事業を抱えるなか、必要性や財源について市民の理解を得るには丁寧な説明が欠かせない。

AC長野の年間収入は今期、1億9000万円程度となる見込みで、スポンサー収入も1億4000万円を確保。今年実施した増資で債務超過も回避できる見通しだ。「財務面は問題ない」(小池社長)としており、今後はスポンサー企業の裾野拡大が課題だ。

現在、スポンサー契約を結んでいるのは長野市の企業が中心だが、広く地元の支持を得ようと、東北信の幅広い企業からの協力を求めている。

ただ「輸出比率が高いので地元のクラブを応援するメリットがあまりない」(東信の製造業)といった声は多い。「支援メニューが多彩だと協力しやすくなる」(スポーツ用品店を展開するゼビオ)、「支援したいと思わせるつながりがあれば(資金が)集まる」(北信の企業)といった工夫も求められそうだ。

入場者数も基準がある。1試合あたり平均3千人以上であることが条件で、AC長野は8日までの平均が2281人だった。平均7180人とJ2平均を超える集客力を誇る松本山雅と比べると少ないが、JFLでは5番目に位置する。

生中継の機会が限られるなか、既存のファン以外にチーム情報をどう伝えていくかが課題だ。「来季からはウェブ上やラジオなどでこまめな情報発信に努めて多くの人に興味を持ってもらい、J2昇格までに3千人を達成したい」(小池社長)という。ハードルを1つずつクリアする地道な努力が求められている。(学頭貴子)

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