2019年7月23日(火)

脱税「裏ポーク」の審査強化 店頭価格に影響も

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2012/4/8付
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豚肉の輸入審査が9日から厳格化される。海外の輸出業者と組んで、輸入豚肉に課す特殊な関税制度を悪用し脱税する業者が後を絶たず、国内の養豚団体から厳格運用を求める声があがっていた。通関手続きの遅れや国内での輸入豚肉の店頭価格への影響も予想されそうだ。

■輸入豚肉「節税」、1000億円以上?

輸入審査の厳格化で、店頭価格に影響も(東京都内のスーパー)

輸入審査の厳格化で、店頭価格に影響も(東京都内のスーパー)

全国の税関は9日から、豚肉輸入業者に海外の輸出業者が豚肉を仕入れた価格を示す資料などの提出を求める。審査手法の突然の見直しや、第三者のコスト開示まで求める強硬なやり方に輸入業界には激震が走っている。

外国産豚肉には「差額関税」という特殊な関税が適用されている。様々な部位が一体になっている枝肉を輸入する場合、基準輸入価格は1キログラムあたり409.9円、部分肉は546.53円。輸入価格が基準価格を上回れば4.3%の従価税で済むが、基準を下回ると差額を関税として徴収する。

安価な肉を輸入すると差額関税が課されるため価格が上がり、国内流通は難しくなる。輸入業界では高い肉と安い肉を抱き合わせ(コンビネーション)輸入し、平均価格が課税基準価格に近づくよう工夫。安価な豚肉への課税を合法的に軽減する節税が定着している。

ところが、輸入業界では安価な豚肉を高く買い付けたように見せかけて申告するケースも後を絶たない。3月には、不正な手法で得た所得を隠したとして、所得税法違反で東京都内などの食肉輸入業者が逮捕されている。差額関税制度が所得隠しや脱税の温床といわれる由縁だ。

日本養豚協会の調査によると、今年1月時点で国内のある大手食肉卸売会社の輸入豚肉販売価格は1キログラム310円から540円。差額関税を払っていては「すべて赤字」になる状態だった。同協会は関税を不正に逃れた「裏ポーク」がまん延している可能性があるとして、財務省や農林水産省に輸入審査の厳格化を訴えていた。

同協会は輸出国の豚肉価格などを基に本当の豚肉輸入価格は「基準価格を200円近く下まわっているはずだ」と推定する。年間80万トン前後の輸入豚肉から本来もたらされるはずの関税収入は1600億円。しかし、2010年度の実績は180億円(推定)にとどまっている。1000億円を超える差額の中には節税分も含まれるが、不正に税を逃れた豚肉も少なくないようだ。

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