アイワコーポなど、掃除機型の除染機 放射性物資の拡散防ぐ
産業資材販売のアイワコーポ(福島県郡山市)や環境関連製品開発の暮らしの科学研究所(同)は放射性物質の拡散を防ぐ除染機を開発する。掃除機型の除染機で建物の外壁や路面を洗浄し、放射性物質を装置内のろ過材に吸着させる仕組み。試作機は80%以上の放射性物質を除去する効果があった。装置を改良して実用化し、来春に業務向けの販売を目指す。
従来型の除染機は高圧の水を噴射して洗い流す仕組みで、周囲に放射性物質が飛散する問題がある。開発する装置は掃除機のヘッドに当たる部分の回転ブラシで高圧の水を噴射しながら洗浄し汚染水を吸い込む。装置内のろ過材が放射性物質を吸着して拡散を防ぐ。
空気環境問題が専門の東北文化学園大学の野崎淳夫教授が監修し、暮らしの科学研究所が装置の設計を担当する。ろ過材を製造するリアルトリート(福島県石川町)から資材の提供を受けて、アイワコーポが製造する。
実用化に向けてヘッドを様々な形状の表面に対応できるようにする。100万~200万円かかる製造原価の引き下げにも取り組む。開発費は東北経済連合会の企業支援機関「東経連ビジネスセンター」の助成を受ける。