「需要創造に挑戦の年に」 東北の企業トップ年頭所感

2011/1/4付
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多くの企業や官公庁で2011年の仕事始めとなった4日、東北の企業経営者らは今年の抱負や景気の見通しを語った。自動車産業の集積や東北新幹線の全線開業を受けて、地域全体への経済効果を期待する声が目立った。少子高齢化や人口減社会に対応するための経営基盤強化を訴えるトップも多かった。

仙台商工会議所が仙台市内のホテルで開いた新年祝賀会には約1200人が参加した。鎌田宏会頭は冒頭のあいさつで、宮城でセントラル自動車や東京エレクトロンの工場が今年相次いで稼働することに触れ、「両社とも裾野が広い業種で経済波及効果は大きい。宮城県の産業構造が大きく変わるスタートの年になる」と述べた。

全線開業した東北新幹線には3月に新型車両「はやぶさ」が投入され、東北と首都圏の所要時間がさらに短縮される。平泉の世界遺産登録を目指す岩手県では「観光産業にとってまたとない機会であり、一致団結して情報発信しなければならない」(岩手県商工会議所連合会の元持勝利会長)といった声が上がった。

人口減とデフレに直面する産業界からは構造改革に取り組む決意が目立った。東北電力の海輪誠社長は従業員に向けた挨拶で「収入拡大と効率化によって、中長期的に強じんな収益基盤の構築が必要」と話した。アイリスオーヤマの大山健太郎社長も「デフレ不況が続きそうだが、新たな需要を創造する挑戦の年にしていこう」と訴えた。

個人消費に持ち直しの兆しがある流通業界でも気を引き締める発言が相次いだ。食品スーパー、ジョイス(盛岡市)の小苅米秀樹社長は「2011年は本格的な競争と淘汰の時代を迎える」とコメント。ダイユーエイトの浅倉俊一社長は「今年も根強い節約志向が続く。消費者のニーズにあった商品の提案が課題だ」と語った。

専門店やアウトレットなど業態の垣根を越えた競争の激化も予想される。百貨店の藤崎(仙台市)の藤崎三郎助社長は「百貨店の持ち味は販売員がいて商品やサービスがあること。お客様の心に残る接客に全員で努める」と意気込みを示した。

金融業界では企業の資金需要が伸び悩み、厳しい収益環境が続くとみる経営者が多い。七十七銀行の氏家照彦頭取は行員に向けて「中小企業向け貸し出しの拡大と預かり資産の増強に取り組んでいきたい」と表明。秋田銀行の藤原清悦頭取は「苦境を乗り越えていくことで企業も人も大きく成長する。様々な困難に挑戦していきたい」と述べた。

きらやか銀行と仙台銀行は10月の経営統合を目指している。きらやか銀の粟野学頭取は行員に対して「持ち株会社の設立へ向けスケジュールどおり準備を進めている」と説明。仙台銀の三井精一頭取は「新しい扉を開くため必ず経営統合を実現しよう」と訴えかけた。

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