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東北の海運、日本海側にシフト 被災地の代替拠点に

東日本大震災以降、日本海側の港湾の貨物取扱量が増加している。震災前から扱っていた燃料などの荷揚げ量が増える一方、新たに取り扱いを始めた貨物もある。太平洋側に位置し津波などの被害を受けた港も既に運用を再開しているが、機能が不完全な港も残っており、秋田県や山形県など日本海側の港が代替輸送の拠点になっている。

秋田県港湾空港課によると、震災後4日までに少なくとも秋田港に3100トン、能代港に6000トンの家畜用の飼料が到着した。東北では主に太平洋側に飼料工場があり、震災で生産を停止しているところが多い。このため北海道や九州などからの供給が増えている。

秋田港では東北で販売するトヨタ自動車などの完成車約1000台を載せた運搬船も入港した。これまでは仙台などを使っていたが、震災を受け初めて秋田港を使った。船は折り返し関東自動車工業の岩手工場(岩手県金ケ崎町)で震災前に組み立てたトヨタ自動車の完成車約100台を積み込んで名古屋港へ向かった。

ガソリンや灯油など燃料の輸送頻度も増えている。主に昭和シェル石油の製品を扱う昭友(東京・港)の秋田共同油槽所では、通常の輸送は6000キロリットルのタンカーで週2回だが、現在は3~4回という。八戸や塩釜にも油槽所はあるが「通常の半分程度しか備蓄できないところもあり、その分を秋田でカバーしている」(同油槽所)。出光興産の秋田油槽所も、週3~4回の輸送を4~5回に増やしている。

新日本海フェリーでは「宅配業者のトラックの予約もみられるなど、貨物輸送量は震災前に比べ2割程度増えている」(秋田支店)。港湾運送を手掛ける秋田海陸運送(秋田市)も「工業用原料やホームセンター向け雑貨など、ほとんど取引のなかった企業からの受注が増えている」(営業部)。

山形県の酒田港(酒田市)も同様だ。地震翌日の3月12日から31日までに、県が管理する公共埠頭に前年同期のほぼ2倍の貨物船が入港した。通常は酒田では荷揚げしない飼料が約5450トン、鋼材の中間原料となる銑鉄も約8500トンが到着した。

重油や石油製品も前年同期の1.8倍の約7500キロリットルに増加。セメントや製材の取扱量も2~3割上回った。公共埠頭だけでなく、火力発電向けの石炭、油槽所向けの石油燃料など専用バースを利用する輸送船舶も大幅に増えているという。

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