2019年1月21日(月)

絹から生まれた川俣シャモ(震災取材ブログ)
@福島・川俣

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2013/3/7 7:00
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川俣シャモを生み出すきっかけになった絹織物は、福島県を代表する基幹産業だった。川俣町と福島市の間には絹織物を運ぶ国鉄川俣線(現在は廃線)が走り、福島市には仙台よりも早い1899年に東北初となる日銀の店舗が置かれた。生糸などの集散地として、東北の金融の中心にもなっていたためだ。

川俣シャモは純系のシャモに地鶏4分の3を掛け合わせて生まれる

川俣シャモは純系のシャモに地鶏4分の3を掛け合わせて生まれる

日銀福島支店長を務めた福島銀行社長の森川英治さんは「当時の福島では蚕を担保にした一種の動産担保融資など、金融面でも最先端の取り組みが進んでいた」と話す。

かつては町の至る所で機織りの音が聞かれたというが、今は合成繊維の台頭で絹織物産業は廃れてしまった。それでも町内の展示施設「かわまた銘品館シルクピア」を訪れると、写真や展示などで往時の繁栄をうかがい知ることができる。

川俣町は「世界一長い焼き鳥」発祥の地としても知られる。川俣シャモのPRのために03年に10メートルの焼き鳥を作ったのが発端で、挑戦する自治体が相次いだ。川俣は09年に24.24メートルを達成したが、10年に北海道美唄市に記録を塗り替えられてしまった。

その後、原発事故が起こって川俣町は記録への挑戦が途絶えていたが「今年はなんとか挑戦したい」と斎藤さん。舞台は毎年夏に開催している川俣シャモまつり。ただ一つ問題があるという。記録が長くなりすぎて竹ぐしの材料になる竹が見あたらないのだ。復興支援のため、心当たりのある人は連絡してあげてほしい。

絹産業が廃れても絹から生まれた川俣シャモが今も川俣の人々の心の支えになっている。世界一長い焼き鳥への挑戦が、町の活力を取り戻すきっかけになれば。取材後、シルクピアの前にある食堂で川俣シャモの入ったラーメンを食べながら、そんなことを考えた。(本田幸久)

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