2018年10月16日(火)

加森観光、王滝村のスキー場運営から撤退へ 入場者減で

2011/6/3付
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国内リゾート大手の加森観光(札幌市、加森公人社長)は2日、王滝村のスキー場「おんたけ2240」の運営から撤退する方針を固め、村に伝えた。2005年に村営スキー場の経営を指定管理者として引き継いだが、入場者数の減少に歯止めがかからなかった。東日本大震災で経営が打撃を受けたこともあり、事業を見直した。基幹産業であるスキー場をどうするか、村は今後厳しい判断を迫られる。

加森観光の子会社、おんたけマネジメント(王滝村)の西田吏利社長が瀬戸普村長に伝えた。同社の安比高原スキー場(岩手県八幡平市)などは、震災の影響で昨季の営業終了を繰り上げた。「経営の屋台骨が揺らぎかねないため、やむなく管理者の返上を決めた」(西田社長)。社員3人は配置転換する。冬季の営業は数十人のアルバイトで対応しており、解雇などはない。

御岳山麓にある「おんたけ2240」(旧おんたけスキー場)はかつて村営で、1993年度には中部圏などから67万人を集めた。だが、岐阜県側に立地の良いスキー場の開設が相次ぎ、スキーブームの衰退もあって入場者が大幅に落ち込んでいた。

村は経営てこ入れのため、2005年からスキー場の設備などを村が所有したまま運営を民間に任せる指定管理者制度を導入。加森観光に運営を委託した。

運営委託後、入場者数は一時持ち直したが、昨季の利用者数は05年比3割減の5万1000人にとどまった。好転の見込みがないことも撤退の原因だ。おんたけマネジメントの11年3月期の売上高は2億数千万円程度で、営業赤字が続いているという。契約期間は10年であと4年残っているが、拘束力はない。

村にはスキー客向けの旅館・商店などが多く、スキー場の存廃は村の将来を左右する。ただ、村は村営スキー場の経営失敗から08年度の実質公債費比率が32.1%となり、財政破綻の懸念がある早期健全化団体に転落した経緯がある。職員の給与カットや地方債の繰り上げ返済により09年度決算で脱却したが、健全とまでは言えない。第三セクターなどを活用して安易に運営を引き継げば、再び村の財政を圧迫する可能性もあり、厳しい判断を迫られる。

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