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イネ科植物から紙開発 茨城大など、数年内に実用化

茨城大学は製紙会社などと組み、バイオ燃料の原料に使われるイネ科の植物「スイートソルガム」から紙を開発することに成功した。市販の紙と比べて手触りや強度などは遜色ないといい、数年内の実用化を目指す。成長が早く耕作放棄地でも栽培が容易な植物のため、製紙原料として栽培することで農山村活性化にもつながるとみる。

プロジェクトを主導するのは農学部の新田洋司教授。1年半の研究を経て、スイートソルガムの搾りかすから紙の原料となるパルプを抽出して紙にした。

パルプ抽出と製紙の方法は非木材パルプの製造販売を手掛ける東邦特殊パルプ(東京・千代田)が研究に協力。山梨県や福井県の製紙会社が製紙を手掛けた。

茨城大阿見キャンパス(茨城県阿見町)の農場で栽培したスイートソルガムを使った。約700キログラムの搾りかすから250キログラムのパルプを抽出。160キログラム分の紙が製造できた。広葉樹から採れるパルプを原料に作られた紙と同程度の強度があり、一般的な用途であれば幅広い紙製品として使えるという。

紙には木材から抽出したパルプを原料に作るもののほか、森林保全の観点からケナフなど木材以外の植物を使ったものがある。スイートソルガムから紙を製造するコストは、ケナフ原料のものと同程度という。

木材パルプ由来の紙と比べると数倍ほど割高だが、スイートソルガムは成長が早く、効率的に多くのパルプを抽出することが可能。「栽培が広がり量産化が進めば、木材系により近い水準までコストを下げられる」(東邦特殊パルプ)とみる。

茨城大はスイートソルガムを製紙に活用することで農山村の活性化も狙う。肥料があまり要らず、寒冷地でも夏場は栽培できる。土壌を選ばないため、耕作放棄地への栽培拡大を進める。今後、各地の気候に適した品種や栽培法の研究を進め、実用化を急ぐ。

2008年に全学組織「茨城大学バイオ燃料社会プロジェクト」を立ち上げており、スイートソルガムの栽培から燃料生産、流通、利用までを地域で完結させることを目指す。これまではバイオ燃料の原料となるエタノールを作り、公用車を使って走行試験などを手掛けてきた。活用法を広げ、普及を進める。

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