石巻ガスの製造設備、5月までに完全復旧 効率も改善

2012/3/2付
保存
共有
印刷
その他

石巻ガス(宮城県石巻市)は東日本大震災で被災したガス製造設備を5月までに完全復旧する。津波を受けて損傷した設備を約8億円かけて再建する。同社は震災によるガス供給戸数の減少や復旧費用の増加により2011年12月期は最終赤字に転落した。設備復旧による生産の効率化で収益改善を進め、14年12月期の黒字転換を目指す。

津波でガス工場内にある液化天然ガス(LNG)を気化させる装置が被災した。LNGタンクと気化ガスタンクをつなぐ配管部分で、ガスの流れをコントロールする自動制御装置の設置工事を5月までに終わらせて、全設備が回復する。

配管の接続工事は昨年に済ませたが、現在は自動制御装置がないため作業員が24時間体制で手動でバルブの開け閉めをしており作業効率が悪かった。復旧工事では将来の供給戸数増加を見据えて、太い配管を利用したりガスを気化させる装置の機能を強化したりした。

プラント修復のほか供給エリアのガス管修理にも費用がかさみ、復旧費用の総額は約27億円。国の11年度第1次補正予算で約10億円の補助を受けたが、残りは商工中金から借り入れた劣後ローン5億円と、地域金融機関からの融資などで対応する。

震災前は石巻市中心部一帯の1万2755戸に都市ガスを販売しており、11年12月期のガス売上高は8億5800万円を見込む。供給地域のほとんどが津波で浸水し、壊滅的な被害を受けた一部を除き、大阪ガスや東京ガスなどの応援を受けてガス管の点検修理を進めた。昨年5月末に9829戸へ供給を再開した。

被災者が供給エリア外の仮設住宅へ移住したことなども響き、足元のガス販売量は震災前に比べて約3割減っている。供給戸数が震災前の水準に戻るまで5年程度かかるとみており、設備復旧で作業効率を上げてコスト改善につなげる。

同社は14年12月期に最終黒字への転換を目指す。2月28日に東北経済産業局に小口部門で22%の値上げを申請した。市などにはガス管を通す対価として支払っている道路占有料の免除を求め、事業の立て直しを急ぐ方針だ。

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]