テスラの申し子、夢を力に 米起業家に流れる独創性
スタートアップスinUSA(2)

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2014/4/2 3:30
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 今では当たり前なスマートフォンの概念も、7年前に米アップルが「アイフォーン」を発売する前に予測できた人は少ない。スタートアップの精神は、大企業の硬直した組織では思いもつかない革新的な製品やサービスを生みだす。誰もが「えっ」と思う独創性は、新世代の猛者たちにも脈々と受け継がれる。

アルタエロス・エナジーズの創業者2人の出会いはMITの授業(右がベン・グラスCEO)

アルタエロス・エナジーズの創業者2人の出会いはMITの授業(右がベン・グラスCEO)

3月21日、風力発電の高度で世界新記録が生まれるとのニュースが世界を駆け巡った。挑戦者は米マサチューセッツ工科大学(MIT)発のアルタエロス・エナジーズ(マサチューセッツ州ボストン)。大空に舞う飛行船で風力発電し、地上に送電する奇想天外な構想だ。世界記録となる1000フィート(約304メートル)の大空での発電にアラスカ州で取り組む。

■発電量は倍以上

アルタエロス・エナジーズは風力の発電高度で世界最高記録を樹立

アルタエロス・エナジーズは風力の発電高度で世界最高記録を樹立

「上空の安定した強風を使えば、発電量は地上の2倍以上になる。飛行船しかないと思った」。アルタエロスCEO(最高経営責任者)のベン・グラス(29)は目を輝かせる。電気自動車(EV)のテスラ・モーターズでインターンを経験。創業者のイーロン・マスクに憧れ、25歳で起業した。

開発中の飛行船型風力発電機は直径約20メートルのドーナツ型。ヘリウムガスで上空に浮かべ、中央空洞部の3枚の羽で発電する。商用化を探る最新型は発電能力最大200キロワット。150世帯分の年間消費電力をまかなえる。発電コストは低く、日本の太陽光発電の半分以下となる1キロワット時15~18円。送電網のないへき地や大規模農園、採掘場、難民キャンプなどでの利用を見込んでいる。

幼いころから父親とロケットや飛行機づくりに興じた。MITに入り、当初はロケット技術者を夢見たが「ロケットの世界は技術が成熟し、差別化が難しいと気付いた」。そこで思いついたのが飛行船を使う風力発電だった。父は元イスラエル空軍のパイロット、米国人の母からは環境の大事さを教わった。

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