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生協、スマホ注文に力 音声入力やカタログ連動

生活協同組合が宅配の注文を受け付けるスマートフォン(スマホ)向けアプリの開発に力を入れている。流通大手が相次いでネットスーパーに参入し、食材の宅配市場をめぐる競争は激しさを増している。音声入力を強化したり、注文方法の異なる複数のアプリを用意したりすることで、各生協は週1回の配送といった利便性での後れを補おうと必死だ。

コープこうべ(神戸市)は1月、注文アプリ「めーむアプリ」を刷新した。大日本印刷と協力して新たに音声入力機能を搭載。「卵」「キュウリ」といった商品名をスマホに向かって話せば、目的の商品が表示される。

商品名以外の単語でも検索できる機能もある。例えば「いつもの」と話すと、直近3カ月分の購入商品を一覧で表示できる。「お気に入り」と話せば事前に自分が登録した商品一覧を表示、「お買い得」とふき込めば今週の特売商品がズラリと出てくる仕組みだ。

音声入力の導入でスマホの操作に不慣れな人の利用も増え、アプリのダウンロード数は4万件と1月時点から1.5倍に増加した。

関東信越にある6生協でつくるコープネット事業連合(さいたま市)は3つの注文アプリをそろえる。それぞれ注文の方法が異なり、組合員は自分好みの注文方法を自由に選べ、場合に応じて使い分けられる。

「eフレンズタッチ」はスマホ向けに最適化されたメニュー画面から注文ができるのが特徴。商品は「野菜」「肉」「冷凍食品」など分類別に分けられ、項目を選んでいけば目的の商品にたどり着けるようにした。

「eフレンズポケカタ」では、従来のカタログ紙面をそのままスマホの画面上で表示。商品を使ったレシピ紹介など、カタログの細かい情報まで見られる。

 特徴的なのが3つ目の「eフレンズクイック」。アプリを起動すると数字を入力するボタンが画面いっぱいに表示される。利用者はカタログに記載されている商品番号を入力すれば商品を注文できる。高齢者らはスマホ画面ではカタログ内容が見づらいと感じる場合も多い。カタログを紙面で見ながら注文はスマホでできることで、こうした不満に対応した。

コープネット事業連合は3種類ある注文アプリの中から選べる
アプリ名特 徴
eフレンズタッチカテゴリー別に分類された画面から商品を選んでいく
eフレンズポケカタカタログ紙面をそのままスマホ画面で見られる
eフレンズクイックカタログ紙面に記載された注文番号を入力する

同じ首都圏をエリアに持つパルシステム生協連(東京・新宿)も6月からカタログ紙面がスマホ上で確認できて、そのまま注文できるアプリを開発した。商品に関する豆知識や料理のレシピも掲載。着実に利用者が増えているという。パルシステムは注文アプリの他にもレシピが投稿できる交流サイト(SNS)など複数のアプリを開発しており、「組合員のスマホ利用率は高い」と見ている。

ネット経由の注文は増加傾向にある。日本生活協同組合連合会(東京・渋谷)によると、生協のインターネット注文の登録数は2013年度が前の年度比で約2割増加した。けん引するのがスマホ利用による注文で、ネット注文のうち2割に達する生協もある。

ネットスーパーではチラシが見られるアプリなどの開発は進むが、注文までできるアプリはまだ少なく、生協が一歩進んでいるともいえる。ただし流通各社もアプリ開発に力を入れ始めており、生協が注文の利便性で優位に立つには限界がある。週1回にとどまる配送の仕組みや、時間指定ができない利便性の遅れの抜本的な改革も欠かせない。(柴田聖也)

[日経MJ2014年7月2日付]

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