ファストリ、パート正社員化6月始動 勤務を柔軟に

2014/5/28付
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「ユニクロ」のファーストリテイリングはパートやアルバイトを正社員にする取り組みを6月から始める。28日には東京都内で説明会を開いた。短い日数や短時間の勤務を認める「地域正社員」を新設。ユニクロの国内店舗で働くパートらの切り替えを中心に約1万6000人を順次正社員にする。伸び悩む国内事業を見直すためだが、スムーズに移行できるか不透明な部分も残っている。

「みなさんと一緒に地域のお店で成長していきたいと考えています」。ファストリが開いた地域正社員の説明選考会には20~30代中心に約60人の中途採用希望者が集まった。

選考会に参加した千葉市の32歳の女性は8歳、6歳、3歳の子育て中。「日曜日でも休みを取れると聞いてユニクロに応募しようと思った。正社員だと福利厚生も受けられるのでありがたい」と話した。

柳井正会長兼社長はこれまで社員にグローバル化への対応や激務をこなす力を求めてきたが、今回の人事制度変更で国内志向を積極的に評価するよう方針を転換。「土日に休むといった柔軟な働き方も認める」(柳井氏)とした。

都内の店で店長代行社員として働く入社7年目の吉田裕理さん(25)は、新制度の導入で「結婚したり育児したりするときでも働きやすくなる」と期待する。現在は週5日のフルタイム勤務で土日の出社も多い。

方針転換を掲げる背景には国内の伸び悩みがある。2014年8月期通期の連結業績は純利益が前期比3%減の880億円となる見込み。海外は好調だが、国内のユニクロ事業の採算低下が響く。既に約840店あり新店の余地はそう大きくはない。「今後は店ごとの水準を上げ経営を強くする」(柳井氏)という。

そのためにも顧客と接するスタッフの強化は欠かせない。パートやアルバイトを正社員にすることで長期勤務のスタッフが増え「店の経営が安定する」(ファストリ)と見込む。

ただ、地域正社員1万6000人という目標の達成時期は未定のまま。正社員への転換で人件費は少なくとも2割超上がる見通し。人手不足のなか、人件費の重荷を背負いつつ国内事業をどこまで早く見直せるか。ハードルは高い。

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