2019年2月20日(水)

遅れる日本のIT改革 労働生産性低下の原因に
出口治明・ライフネット生命保険会長兼CEO

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2014/5/31 7:00
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生産年齢人口が急激に落ち込むケースでは、生産性の向上を図ってその穴を埋めるほかに挽回の方法はない。だが生産性の日米格差は近年大きく開き主要先進諸国からも引き離されつつある。

わが国の労働生産性の伸び率は、1970年代が3.71%(米国は1.04%)、80年代が3.69%(同1.66%)と先進国の中では断トツの地位を誇ってきた。だが90年代以降は1.14%(米国は1.84%)と逆に先進国の中では最下位に甘んじている。

主な理由は、IT(情報技術)革命や労働市場改革などが思ったより進まなかったことにある。出生率がわが国より低いドイツと比べると、95年までは日本の方が潜在成長率が高かったが、それ以降は逆転されている。この要因も労働市場改革やIT資本投資などによると考えられている。

わが国もドイツにならって労働市場の改革やIT資本投資などの活性化を図らなければ、未来に期待をつなぐことはとうていできない。

処方箋はまた別の機会に論じるとして、人口と生産性という2つのキーワードについて、わが国が置かれている現状を素直に直視することが全ての構造改革の出発点になると信じてやまない。

[日経産業新聞2014年5月29日付]

 この連載は変革期を迎えたデジタル社会の今を知るためのキーパーソンによる寄稿です。ツイッター日本法人会長の近藤正晃ジェームス氏、ネットイヤーグループ社長の石黒不二代氏、LINE社長の森川亮氏、NTTドコモ執行役員の栄藤稔氏に今回からライフネット生命保険会長兼最高経営責任者(CEO)の出口治明氏が加わります。

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