伊藤忠、タイ最大財閥と相互出資を発表 1000億円受け入れ
伊藤忠商事は24日、タイ最大級の財閥チャロン・ポカパン(CP)グループと資本・業務提携すると正式に発表した。伊藤忠が1024億円の第三者割当増資を実施し、CPグループが合計5%弱の株式を持つ実質的な筆頭株主となる。伊藤忠もCPのグループ企業に66億香港ドル(約870億円)で25%を出資する。伊藤忠はアジアに幅広いネットワークを持つCPと食糧や流通などで連携し拡大する需要を取り込む。
CPグループは農業や食料品を核に情報通信、小売り、金融などを手掛けるタイ最大級の複合企業。約300社の子会社を抱え、売上高は4兆円を超える。
第三者割当増資を引き受けるのはCPの投資子会社と、CPと日本政策投資銀行が折半出資でつくる投資組合。払込期間は8月15日から9月19日までで、それぞれ約4.0%、約0.9%出資する。アジア企業が日本の総合商社の大株主になるのは初めて。
同時期に伊藤忠はCPグループの中核企業で食糧事業を手掛けるCPフーズの子会社に出資し持ち分法適用会社にする。出資先は香港証券取引所に上場し中国とベトナムに強い地盤を持つ。
伊藤忠は当面、提携効果が早期に期待できる飼料や畜産・水産関連分野の取引を増やす。アジアへの食品原料などの供給拡大に向け、2年間で146億円を投じる。今後は保険や情報通信分野にも協業範囲を広げ、ミャンマーなど新興国の開拓も進める。CPグループは手薄な欧米の販路拡大へ、伊藤忠の営業・情報網を生かす考えだ。
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