グリー、ネット経由で中古ブランド買い取り 最短24時間

2014/5/28 7:00
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ゲーム大手のグリーは今月8日、新規事業として中古ブランド品買い取りサービス「ウットク」を始めた。最短24時間で手続きが完了する手軽さと、ブランド品の売却代金をグルメサイトのクーポンや電子マネーでもらえるのが特徴。働く30歳前後の女性がターゲットの新サービス、早くも取引が活発になり始めた。

IT(情報技術)ベンチャー企業が集う六本木ヒルズ。その一室に高級バックや財布が続々と運び込まれてくる。エルメス、ルイ・ヴィトン、シャネル――。子会社のグリーリユース(東京・港)がオフィスフロアの一角を、ウットクの配送センターに使っているのだ。

運び込まれたブランド品は、提携するコメ兵の専門家が査定し、買い取り価格を決める。当初は月1000件の査定が目標。「事業規模に応じて別の場所に移したい」とグリーリユースの浅沼達平社長。ネットを駆使してコストを抑え、小さく始めて大きく育てる戦法はまるでベンチャーだ。

ウットクが狙うのは消費意欲が旺盛な働く30歳前後の女性だ。質屋の利用経験がなく、中古品の売り方を知らない。いらなくなったブランド品を押し入れの中に眠らせたままか、友人にあげてしまう人が多いという。

使い方は簡単。売りたいブランド品があればパソコンやスマートフォン(スマホ)でウットクのサイトに接続し、申し込む。まもなく届くキット(段ボール箱など)でブランド品を発送すれば、後は買い取り価格を知らせるメール通知を待つだけだ。

関東圏なら最短24時間で一連の手続きが済むという。売り主に費用がかからないうえ、質屋に足を運ぶ面倒もない。

代金は現金以外の方法でも受け取れる。グルメサイト「ぐるなび」や語学などの個人レッスンを受けられる「Cyta・jp(サイタ・ジェーピー)」と提携し、クーポンやポイントに交換できる。提携先によっては査定額に最大5割上乗せして交換できるという。

「ぐるなび」など提携先企業にも利点がある。まず自社サイトにウットクのバナー広告を表示する。バナーをクリックして送客したユーザーがウットク経由でブランド品の査定を申し込むと、広告の成果報酬がグリーから支払われる。

加えて、ブランド品の代金受け取りの際に自社のクーポンなどが選ばれれば、売り主に支払うはずだった買い取り代金が手に入る。送客した顧客が一巡して戻るため、自社クーポンを選んでもらおうと査定額に上乗せして交換するインセンティブが生まれる。

少しでも利ざやを稼ぐため、買い取り価格を安く抑えたくもなるだろうが、浅沼社長は「口コミが速いのも彼女たちの特徴。悪評は立てられない」と自戒する。逆に、売り手、買い手のグリー、それをつなぐ提携先が、近江商人のように「三方良し」のメリットを享受できれば「グリーは大規模広告を打つ必要がなくなる」(浅沼社長)。

ブランド品買い取りサービスの社内アイデアが提案されたのは昨年末。半年を待たずに事業開始にこぎつけた。そのスピード感は、やはりベンチャー。経営の屋台骨であるモバイルゲーム事業がぐらつく中、新規事業にかけるグリーの意気込みが伝わってくる。(新田祐司)

[日経MJ5月28日付]

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