/

ブックオフと組むヤフー 「CtoC」実店舗も巻き込む

(藤元健太郎)

ネットオークションを中心とする個人間取引の「C2C(コンシューマー・トゥ・コンシューマー)」ビジネスは、インターネットの草創期から成長してきた、いわばネットと相性の良いビジネスだ。ここ数年は通常のネット通販に押されていた感があったが、スマートフォン(スマホ)の普及が本格化した昨年ごろから個人の利用者が再び拡大し、新しい成長ステージに入りつつある。

特にスマホのフリーマーケット(フリマ)アプリは参入が相次ぎ、盛り上がりを見せている。2013年夏にサービスを開始したメルカリ(東京・港)。スマホのカメラで商品を撮影するだけで簡単に出品できる点が受け、急速に登録商品が増えた。テレビCMも始めるなど勢いがある。

無料通話・チャットアプリのLINE(東京・渋谷)も今年、「LINEモール」を始めた。交流サイト(SNS)の強みを生かし、個人が簡単に出品して友人同士での売り買いを活性化させ、C2Cの拡大を狙う。

日本最大のネットオークションサイト「ヤフオク!」を持つヤフーもこの流れに反応した。4月下旬、ブックオフとの資本・業務提携を発表。C2Cビジネスを全国約1000店を持つブックオフの店舗に人を呼び込むO2O(オンライン・トゥ・オフライン)へと近づける試みが始まった。

ブックオフは従来、古本を仕入れた店舗が、その本をそのまま販売することが多かった。だが、例えば福岡の人が求める本が札幌の店舗にあっても、それを購入することはできなかった。

しかし、ヤフオクを活用することで全国の在庫データベースが統合できて地域を越えて古本を流通させられる。出品数はこれまでの200万冊から一気に1000万冊に膨らんでいく見通しだ。

一方、ヤフー側もヤフオクで詐欺事件などが相次ぎ、出品審査を厳格化したため手間がかかるようになっていた。だがブックオフの店頭で買い取りしてもらうことが可能になり、古本以外のブランド品なども簡単に処分できるようになる。

 また、これまでブックオフで100円で売られていた古いゲームがヤフオク上では7万円で売れたり、100円のスウェーデン語関連本が7000円で販売されたケースなどがあった。こうした価格差をもうけにつなげる「せどり」という商売が存在する。今回の提携で一番衝撃を受けたのは、せどりで稼いでいた人たちかもしれない。

ただ、人によって価値が違うものを同じ工業製品として重さで一律の値段で扱うしかなかったブックオフの取引手法にも課題があった。ネットオークションは、本当に価値を感じている人に、適正な価格で供給するプラットフォームでもある。

ここへきてGREEもコメ兵と業務提携し「ウットク」という新サービスを始めると表明。自分の不要な品を適正価格で販売できれば、新しい商品を買う原資になる。購買意欲を高めて消費の拡大にも貢献できる。

誰がどのような商品を保有して、使っているか否かの情報を社会全体が共有することで、再利用のほかレンタルや共同所有なども可能となり、ビジネスモデルの幅が広がる。商品やサービスを提供する側にとっても、新商品を市場投入する際に販売モデルの選択肢が広がる効果も生む。

中古品の売買情報をしっかりと捕捉できれば、著作権料の計算も可能になり、アフターサービスに特典を付けるなどの新ビジネスモデルを構築できる可能性さえ見えてくる。(D4DR社長)

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連企業・業界

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン