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富士フイルム、スマホ動画を写真プリントに

スマートフォン(スマホ)で撮影した動画の一部を「写真」としてプリントできる、富士フイルムの新サービス「動画フォト!サービス」が人気を集めている。専用アプリを使えば写真から動画を呼び戻して、スマホ上で動く写真も作れる。スマホで動画を撮影する人が増える中、新サービスで新たな需要を開拓しようとしている。

ARを駆使してプリント需要の掘り起こしを狙う

「スマホで手軽に動画が撮れるようになってから、日常のシーンを動画で撮る人が増えた」。同社イメージング事業部の吉村英紀マネージャーはこう話す。同社の調べでは10~30代の約25%の人がスマホを使って動画撮影しているという。

動画から写真を切り出したいと思う人は20~60代の約55%にのぼる。例えば、犬がジャンプしてフライングディスクをキャッチする様子をブレずに写真撮影するのは一苦労。だが、富士フイルムが提供する動画フォト!サービスは、こうした場合に最適だ。

サービスは2種類。「動画プリント」は専用アプリを使って「写真」を20カット程度、自動で切り出すサービスだ。対象は2分以内の動画で、1枚86円で提供している。宅配などで受け取れる。

もう1つは動画で切り取った写真にスマホをかざせば、スマホ上に再び動画を再生することができるサービス「うごく動画プリントAR」だ。これはAR(拡張現実)技術を駆使して、写真にスマホをかざせば動画を再生することができる。

 実際にこのAR写真を見た高校生は「ハリポタみたい!」とはしゃぐ。ファンタジー映画「ハリー・ポッター」に登場する絵や写真は魔法のせいで動くからだ。この動画は2年間再生可能。1枚270円で製作可能だ。

富士フイルムは卒業生のビデオメッセージや、孫から祖父母へのプレゼントとして使ってもらうことを提案。1千人のモニターを募集したところ2週間余りで達成した。潜在需要は大きいと判断し、同社は両サービスを合わせて年60万枚の販売を目指している。

こうしたプリントサービスは新しい写真の楽しみ方を広げるために始めた取り組みだ。富士フイルムは2013年度から「フォトルネッサンス」運動と題して写真を新しく利用できる取り組みを推進。第1弾の「イヤーアルバム」は1年間の画像データから最も良く撮れた写真を自動選択しアルバムにするもので、今も人気だ。第2弾は正方形プリントや美肌プリントなど4サービスを提供。動画フォト!サービスは第3弾となる。

かつて同社の利益に大きく貢献してきたプリントの発行枚数は減少傾向にある。写真業界専門誌フォトマーケット(東・中央)によると、12年の発行枚数は66億枚で、1997年の半分にまで落ち込んだ。

しかし、富士フイルムは10~20代の女性なら1人平均で250~300枚の画像データをスマホの中に保存してあるとみている。「もっと手軽にプリントできるようになれば、潜在的なプリント需要はあると思っている。これまでなかった写真の残し方や飾り方を提案していきたい」(吉村氏)。同社は眠れる画像データを掘り起こす刺激のある新サービスを創り出し、プリント需要を再燃させる戦略だ。(杉浦恵里)

[日経MJ2014年7月23日付]

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