トヨタが「会話するクルマ」 触れずに道順や店案内
音声認識活用、ナビとスマホ連動

トヨタ自動車は18日、自動車向けの情報サービスを刷新すると発表した。音声認識技術を全面採用。画面を一切触らずに経路をはじめあらゆる情報を検索でき、運転しながら会話をする感覚で使える。自動車向けの情報サービスはスマートフォン(スマホ)大手の米アップルなどが始める予定。トヨタは自社のサービスを改良することで、スマホ世代の若い顧客のつなぎ留めを狙う。
トヨタは2002年、車向けに経路検索や交通情報などを提供するサービス「G-BOOK」を開始。トヨタ車に搭載する純正カーナビゲーションシステムで利用できる。新サービスの「T-Connect」は7月以降に発売する純正カーナビなどで使えるようにする。ナビと自分のスマホを無線接続して使う。サービスは原則無料。

特徴の一つは運転手との自動対話機能。ナビに呼び掛けて経路や店舗などの情報を問い合わせられ、結果も具体的に音声で返ってくる。「近くで今使える駐車場がある所を教えて」と尋ねると、「3件あります」「最も近いのはスーパー○○です」「3キロ先です」などと会話を重ねるように案内する。
スマホの音声認識サービスに比べてより具体的な回答ができるようにした。自動で答えられない場合はオペレーターに切り替わり、オペレーターの回答履歴を学習して精度を上げていく。
もう一つの特徴はスマホと同様、外部の企業が開発したサービス専用の様々なアプリ(応用ソフト)を用意すること。当初は自宅のエアコンを操作できるパナソニックとの共同開発アプリなど14種類が使える見込み。娯楽関連や暮らしなど多様な分野でアプリをそろえる。ナビに取り込むことでスマホのように機能を高めていける。
スマホとも情報を共有し、駐車場で車をとめた後、徒歩で最終目的地まで経路の案内を続けるなどの機能も備える。
アップルは今年3月、車向け情報サービスを発表。イタリアの「フェラーリ」やドイツの「メルセデス・ベンツ」などがサービスを利用できる端末を標準装備した車を発売する予定。米グーグルも計画を打ち出すなど、国内外で本格化する見通しだ。
トヨタはアップルのサービスを導入する意向も示しているが、国内ではまず自社のサービスを提供。海外展開も視野に入れている。
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