武田、あすか製薬に特許権許諾 高血圧症治療剤
武田薬品工業は16日、主力の高血圧症治療剤「ブロプレス錠」の特許権をあすか製薬に許諾すると発表した。国内で近くブロプレスの特許が切れるため、資本関係のあるあすかに後発薬として市場参入を促す。先発メーカーが特許切れ対策として関連会社に事前に使用を許諾する動きは欧州で広がっている。国内で大手メーカーが取り組むのは初めてとなる。
あすかは特許の許諾を得て原薬や添加物、製造方法が同一の後発品を販売する。6月の薬価収載に向けて薬価を申請済み。ほかの後発薬メーカーよりも早期に参入しシェアを確保しやすくなる。
武田はあすかに約7%を出資する筆頭株主。あすかの医薬品を仕入れ、特約店に販売する業務も担っている。国内の特許切れに伴いブロプレスの収益は落ち込むが、後発品市場であすかが主導権を握れば、自社のビジネス機会も得られると判断した。