2018年1月18日(木)

ベンチャーブーム、世界に再来 イベントも火付け役
編集委員 関口和一

(1/3ページ)
2014/7/17 7:00
保存
共有
印刷
その他

 スマートフォン(スマホ)やクラウド技術などの広がりで、日本で再びベンチャーブームが起きている。昨年の新規上場は54社と2007年以来の高水準。米アップルや米グーグルのサイトにアプリを公開すれば、世界市場に進出できるとあって、特にモバイルやゲーム関連のベンチャーの動きが活発だ。そうした需要をにらみ、新興企業や投資家向けの会議やイベントも増えている。

■中国の熱気、米国にも波及

GMIC東京で挨拶するGWC東京の夏野剛代表

GMIC東京で挨拶するGWC東京の夏野剛代表

 「日本が携帯分野で培ってきた知見と中国の巨大市場、それに米国のイノベーション力を合わせれば、再び大きな変革が促せる」――。7月11日、東京・渋谷で開かれた携帯分野の国際会議「GMIC(グローバル・モバイル・インターネット・カンファレンス)東京2014」で、こう語ったのは主催者の日本代表を務める夏野剛氏だ。かつてNTTドコモで「iモード」の旗振り役を務めた夏野氏だが、「ガラケー時代からスマホ時代に移行したことで、世界の携帯市場はひとつになった」と強調。日本のベンチャー起業家にも世界へ目を向けるよう呼びかけた。

 GMIC東京を主催したのは中国のベンチャー企業経営者らで構成する「GWC」。第1回会議は08年に北京で開催された。GWCは「グレート・ウォール・クラブ(長城会)」の頭文字で、その最高経営責任者(CEO)を務める文厨(ウェン・チュー)氏は「もともとは中国から始まったベンチャー経営者の集いだが、国際展開を進めるため、英語のGWCを使うことにした」と話す。

GMIC東京を主催した中国GWCの文厨(ウェン・チュー)CEO

GMIC東京を主催した中国GWCの文厨(ウェン・チュー)CEO

 実際、12年秋には米シリコンバレーでも「GMICシリコンバレー」を開催。2年目の昨年秋の会議には1万人以上が参加した。米国には米企業主催の様々なイベントや会議があるが、「中国企業が主催するイベントにこれだけ多くの人が集まったのは驚きだ」(文厨氏)という。9月にはインドのバンガロールでも開催する予定だ。お膝元の北京の会議は当初200人でスタートしたが、今年5月の会議には2万人以上が訪れたという。

 実は似たような現象はフィンランドのヘルシンキでも起きている。現地の有志起業家らが08年に始めたベンチャー起業家の祭典「スラッシュ」だ。こちらも当初200人で始めたが、昨年11月の会議には世界から約6000人が参加した。フィンランドは世界の携帯端末市場の4割を握ったノキアで有名だが、同社はスマホブームに乗り遅れてしまう。スラッシュは「雪解けのぬかるみ」という意味で、そうした困難な状況を一変させようと始めたのがこのイベントで、フィンランドに一大ベンチャーブームを巻き起こす大きなきっかけとなった。

 では、こうした会議がなぜ08年に欧州とアジアでほぼ同時に始まったのか。金融業界では同年はリーマン・ショックが起きた不幸な年として記録されているが、実はIT市場では新たな技術革新が起きた歴史的な年だった。アップルのスマホ「iPhone3G」が登場、世界共通の第3世代携帯電話規格に対応し、携帯端末で高速データ通信ができるようになった。その発売1カ月前にドコモを辞め、アップルの信奉者に回った夏野氏は「08年はグローバルなスマホ市場が誕生する記念すべき年だった」と振り返る。

日経電子版が2月末まで無料!初割のお申し込みは1月31日まで!

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ

関連キーワードで検索

GWCスマートフォン



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報