2017年12月14日(木)

パナソニックの介護ロボ ベッド型に見える本気度

コラム(ビジネス)
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2014/5/19 7:00
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 パナソニックが介護ロボットの開発戦略を進化させている。ベッドから高齢者などを車いすに移動させるため、当初は人の背丈ほどある双腕型のロボットを想定していたが大きすぎるなどの理由で断念。安全性や価格、使い勝手など現場での使いやすさを追求した結果、6月から発売するのがベッド型の「リショーネ」だ。日本が主導した生活支援ロボットの国際安全規格の認証も取得している。

■車いすへの移動を楽に

パナソニックのベッド型介護ロボット「リショーネ」

パナソニックのベッド型介護ロボット「リショーネ」

 「リショーネ」は「離床」の名前の通り、中重度の要介護者が寝たきりにならず、ベッドから車いすに移動するのを楽にし、自立を支援し移動の自由を手に入れてもらおうというもの。ベッドが真ん中から2つに分かれ、片方の背中が持ち上がりリクライニングシートとなり、車いすになる。ベッドから高齢者を抱き上げる人の腰の負担を楽にする目的も大きい。価格は約100万円。

パナソニックの介護ロボット「TAR」

パナソニックの介護ロボット「TAR」

 車いすへの移乗を支援する同社の介護ロボットの原型は2006年ごろに開発したトランスファー・アシスト・ロボット(TAR)だ。リショーネとまったく形が違う。人の背丈ほどある双腕型ロボット。2本の腕を高齢者らの体の下にいれ、腕で持ち上げて車いすに移す。人の動作をロボットにそのまま置き換える発想だ。

 これは「一応ヒアリングはしたが、開発者がこういうのはどうかと考えて作った」(パナソニックプロダクションエンジニアリングの河上日出生アシストベッドプロジェクトリーダー)。しかし、展示会に出すと「こんな大きなもの部屋に入らない」など介護関係者から総スカンを食った。

■ヒト型へのこだわり捨てる

 しかもロボットアームを高齢者の軟らかい背中の下に安全に差し込むことや、2つのアームで利用者を抱えて安定して運ぶのが難しい。抱えられる方も不安だ。この形は早々と断念する。開発チームは「ヒト型にこだわるのはやめよう。現場の意向を最大限に取り込もう」と軌道修正。様々な案から一体化したベッドと車いすの分離方式にたどり着く。

パナソニックのロボティックベッド

パナソニックのロボティックベッド

 ただ、09年に発表したロボティックベッドもリショーネとかなり趣が異なっていた。寝ていた部分が車いすに全自動で変わるまさに“変身型ロボット”。利用者が寝たまま指示すると、マイクが音声を拾って認識し、自動で変身する。

 「技術を詰め込んだ理想型の全自動変身型ロボ」だったが、これも展示会や現場の反応はいまひとつだった。介護現場は様々な私物が置かれる。まだ、必要とするスペースが大きすぎるのだ。

 ベッドの位置を割り出したり、モーターを制御したりするセンサーのほか、約10の高性能モーターも必要で「かなり原価がはる」と価格の面でも現実的ではなかった。

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