「東洋のスイス」再び 小さな生産設備が工場変える

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2014/3/17 7:00
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「小さいものを作るのに大きい生産設備は必要ない」。当たり前のように思える話だが、どんな極小の部品を作るメーカーでも大抵は人一人では動かせないような大きな装置が並んでいる。諏訪湖周辺の長野の中小企業が中心となってつくる「DTF(デスクトップ・ファクトリー)研究会」の目的はそんな工場の光景を変えることだ。小さく、省エネで、精度も高い生産設備の開発に取り組む。設立して10年以上たつが、取り組みは今も活発。電力の供給不安や少量多品種生産の定着など、ものづくりを巡る環境の変化もあり、今後さらに注目が集まりそうだ。

■「見通せる」生産ライン

加工機や搬送機械の高さが人の肩よりも低い

加工機や搬送機械の高さが人の肩よりも低い

微細加工や生産設備を手掛ける高島産業(長野県茅野市)の工場。数値制御(NC)された装置が金属部品を切削やプレスで加工し、搬送機械がそれを運ぶ。普通の光景のはずなのだが、どこか変だ。すぐにその違和感の正体が普通の工場と違い、生産ラインが「見通せる」ことだと気がつく。どの装置も大人の肩の高さくらいしかなく、人の視界を遮らないのだ。

高島産業は諏訪地域の中小企業や国内外の大手メーカーなど34社・団体でつくるDTF研究会のメンバーだ。同研究会は2000年に発足した。運営する長野県テクノ財団(諏訪市)の小林高弘事務局長によると、バブル崩壊後の仕事の減少で苦しんだ各メーカーの経験が同研究会設立の背景にあるという。業績が回復するなかで生産能力を引き上げたいが、過去の教訓から「工場を広げず、設備投資も抑えたい」というメーカーが多かった。1990年代半ばからコスト削減や環境への配慮のために、セイコーエプソンが省エネ活動に徹底して取り組むなど、製造業にとって「省エネ」が重要なテーマになっていたことも大きい。

それから13年間、参加企業は穴開け機やレーザー加工機、洗浄機など小さな生産設備の開発に注力してきた。隔月で中小企業の社長やメーカーの技術者が集まって講習会を開いたり、参加企業の工場見学をしたりと企業間の交流も活発だ。

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