スマホ攻防、新局面 ドコモ新料金、データ通信重視

2014/4/11付
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NTTドコモは10日、スマートフォン(スマホ)などの新料金プランを6月に始めると発表した。データ通信量を家族で分け合う仕組みを国内で初めて導入する。大容量のデータが必要な動画共有サイトなどの普及に伴い、データ通信の利用が急増。最大手のドコモが音声通話からデータに戦略の軸足を移すことで、スマホの競争は新しい局面に入る。

スマホユーザーのデータ利用は着実に増えており、ドコモの通信収入に占めるデータの割合は6割強に達している。従来はデータ通信に関する料金プランの選択肢が少なく、利用実態に合わないプランを選んでいた利用者が割高だと批判。番号持ち運び制度(MNP)の利用者を獲得するための現金還元が手厚く、頻繁に携帯会社を乗り換える利用者だけが優遇されるとの不満も出ていた。

スマホの利用料金が高止まりしていたことを背景に、仮想移動体通信事業者(MVNO)と呼ばれる企業が提供する格安スマホが台頭。イオンなども参入している。音声通話では若年層を中心にLINEなどの無料アプリの利用が増えておりドコモは抜本的なプランの見直しに踏み切る。

携帯会社は従来、主力の音声通話で使用量に応じて課金する従量制を採用し、付随するデータ通信の料金は定額制とするのが一般的だった。ドコモの新プランはデータ通信で従量制の色彩が強く、主従が逆転する。

新プランの目玉である「パケあえる」は、家族単位でデータ通信の容量を買う仕組み。現在は一人ひとりが月3ギガ(ギガは10億)バイト(4700円)か、同7ギガバイト(5700円)のいずれかを購入する必要がある。新プランでは同10ギガ~30ギガバイト(9500~2万2500円)の中から最適なものを選び、家族で分け合う。「使い残し」を減らして割高感を軽減する。

新料金プランを発表するNTTドコモの加藤社長(10日、東京・大手町)

新料金プランを発表するNTTドコモの加藤社長(10日、東京・大手町)

さらに利用期間の長さに応じてデータ通信料を割り引く。家族の中に1人でも16年以上の利用者がいれば、最大月2000円安くなる。音声通話はスマホの場合、月2700円の支払いにより、無制限に使える。25歳以下の若者は500円割り引く。従来は年齢に関係なく、月1410円でドコモの契約者間の通話のみ無制限だった。

新料金プランで通信費が安くなるのは、家族4人でスマホを使うような場合だ。従来は最低でも月2万5640円かかり、さらにドコモ契約者以外への通話は別料金。6月以降はデータ通信量の合計が同じでも若者割引を活用することで2万2000円となり、長期割引を併用すると2万1000円まで下がる。

一方、単身者や音声通話の使用が少ない場合は、割高になるケースもある。1人で新たに契約する際の最低料金は月6410円から6500円に上がる。家族や長期利用者を優遇する原資をこうした「値上げ」に加え、新たな利用者の獲得でまかないたい考えだ。

使い方によっては節約が可能になるが、当初は複雑さが増す側面もあり、利用者の判断力が問われそうだ。

KDDI(au)やソフトバンクモバイルも、料金が高止まりしているとの批判に応えて対応を進めている。ソフトバンクはデータ通信と通話を組み合わせた定額プランを21日に始める。KDDIは1人の利用者がスマホとタブレット(多機能携帯端末)を使う場合のデータ通信量を分け合えるプランを6月に導入。さらにドコモに対抗して新プランを打ち出す可能性がある。

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