目に見える緑を増やせ 自治体、緑視率を指標に
編集委員 宮内禎一

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2014/4/15 7:00
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新緑がまぶしい季節がやってきた。緑の多さは都市の住み心地の良さや魅力を高める大きな要素。景観や環境に配慮して、目に見える緑の量を増やそうという動きが官民で広がっている。

■大阪に巨大な緑のモニュメント2つ

6階部分まで緑で覆われた大阪マルビル。将来は最上階の30階まで緑の「都市の大樹」になる

6階部分まで緑で覆われた大阪マルビル。将来は最上階の30階まで緑の「都市の大樹」になる

東京に比べて緑が少ないといわれる大阪に昨年、巨大な緑のモニュメントが相次いでお目見えした。発案したのはいずれも建築家の安藤忠雄氏だ。まず6月、大和ハウスグループがJR大阪駅前の高層ビル「大阪マルビル」(大阪市)の壁面を植物で覆うプロジェクト「都市の大樹」を6階(地上約30メートル)まで完成させた。ツタやカズラが成長して将来は高さ124メートルの30階まで緑の塔にする壮大な事業だ。

もう一つは、積水ハウスが「新梅田シティ」(大阪市)に11月に設置した「希望の壁」。ヤブツバキ、ヤマブキ、フジなど約100種類2万本以上の植物をプランターなどに植えて、高さ9メートル、長さ78メートル、奥行き3メートルの巨大な緑の壁を形作った。いずれも世界に類を見ない規模で、外国人観光客の間でも話題になっている。

地価が高い大都市で緑地を急に増やすのは難しい。そこで大阪府や大阪市が着目したのが視界に入る緑の量の割合を示す「緑視率」だ。従来は敷地面積のうち樹木や芝生など緑に覆われた部分を示す緑被率(上から見た緑の割合)を指標に使ってきたが、実際に目に見える緑の量とは落差がある。壁面緑化などを増やせば実感できる緑の量が増えるため、緑視率を緑化指標の一つに加えた。国土交通省の社会実験調査では緑視率が25%を超えると緑が多いと感じられるようになるという。

■デジカメで撮影した画像から算出

新梅田シティの「希望の壁」。さらに繁茂してくれば構造部分も緑で覆われる予定

新梅田シティの「希望の壁」。さらに繁茂してくれば構造部分も緑で覆われる予定

大阪府は2012年に府内43地点の数値を測定したのに続いて、13年には主要な交差点や高層ビルなど64カ所を毎夏に調査する定点に決めて変化を比較できるようにした。同年の場合、例えば通天閣からの緑視率は天王寺公園がある南側は28.6%だが、北側は2.9%にとどまった。

緑視率には調査方法を含めて統一の基準はない。府は市町村や企業、住民が簡単に緑視率を測定できるように(1)コンパクトデジタルカメラ(広角側の焦点距離が24ミリ)を使う(2)高さ1.5メートルの視点でカメラを地面に平行に固定して撮影する(3)ゴーヤなど緑のカーテンを評価するため、撮影に最適な時期は7月中旬から8月――などのガイドラインを作って公表した。

さらに12の幹線道路沿いについて緑視率25%以上など一定の条件を満たせば、容積率や建ぺい率を緩和する制度も導入して実感できる緑の割合を高めようとしている。

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